どこからが介護の限界?(介護者さん向け)

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今日は介護の「限界」ということをテーマに考えてみようと思います。

「家での介護は限界かもしれない。」
「これじゃ仕事も介護もこなせない。」
「親から要望が多すぎて辛くなる。」
などなど、辛い状況の中で介護をしている人はたくさんいます。

でも明確に「限界」という物差しがありません。

そのため、「これ以上できない」と言いたくても”物理的にはできてしまう”状況だと、どうしても対応せざるを得ない自分がいるのではないでしょうか。

限界ってどういう状態??

介護相談を長年受けてきた経験から、
私は介護の限界とは
頭(考え)と心(感情)がズレていくこと。
そして、そのズレが改善されない状態
を『限界』と考えています。


頭では“親孝行したい。わたしがやらなきゃ”と考える。
けど、心は余裕がなくて“イライラ”を感じてしまう。
そういう状態の時は基本的には心が態度に出ます。

そして、その『限界』は放っておくと何かが犠牲になります。

例えば、親が安全に望む生活はできても、家族(親や兄弟)との関係は悪化。
というように「家族のつながり」が犠牲になることが多いです。
他にも、病気や過食などの形で「健康」が犠牲になる。
又は浪費という形で「生活資金」が犠牲になる場合もあります。

自分が我慢すればよい、と思っていても、限界を超えると他にも悪影響がでてしまう傾向にあります。

では自分が限界と感じた時はどうしたらよいでしょうか?

3つにポイントを絞ってお伝えします。

 1限界を受け入れる
そもそも限界の指標が自分の感覚でしかないので決めづらい。
そして限界を受け入れるのは抵抗があります。

そのため、先ほどお伝えしたような状況に当てはまらないか振り返ってみてください。それでも受け入れられない時は、自分の労力や時間を”資源”として客観的にみます。

親の望む生活をしていくには(自分という)資源が十分に足りていない。
資源が足りないから、他が犠牲になってバランスを取っている、と。

そう考えれば、資源を補う必要があると判断できます。


2.ケアマネに相談する。

介護問題で一番身近な専門家はケアマネです。
ケアマネに現状を相談しましょう。
具体的には
・親の前では話せない今の限界な気持ち。
・今すぐ自分の代わりになってくれるサービスの情報
・将来の使うかもしれない施設等の具体的な情報。
などを相談してみてください。


将来に向けての情報も把握しておくことで、先の見えない不安をいくらか軽減してくれます。
不安とは今あることではなく、未来を想像して感じることだからです。


3.可能なら家族に相談する。

対処方法がわかり心にゆとりができたら、親や兄弟と話し合ってみるのも一つです。
ゆとりがないと「もう私辛くて限界だからサービス使ってよ。いつもいつも私ばかりで・・・!」とつい相手を責めたくなってしまいます。
それでは犠牲が拡大します。

でもゆとりがでれば穏やかに話ができます。
お互いが思いやりながらの会話でき、自分の限界を解消する可能性も格段に上がります。

例えば
「お母さんのことを第一に考えているのに、イライラしてしまってツライ。もっと穏やかにお母さんと関わっていきたい。」と自分の考えを話してみるんです。

そうすることで、お母さんなりに協力してくれるかもしれません。
また、お母さんが大切にしたいことを話してくれるかもしれません。



お互いが助け合えることで、相手に対して感謝の気持ちが湧いてくれば頭と心が一致してきます。

「限界」を「限界」と認め、補っていくことで100%の理想は無理でも、本来頭で考えていた気持ちで接することができるのではないでしょうか。

優しい人ほど限界を超えやすく、そして優しい態度でいられなくなってしまいます。

どうぞ限界となったら無理しないで自分ができる最大限の優しさを形にしてくださいね。



追記:
「もしも、お母さんが自己中心的で子供の限界を理解しない場合はどうなの?サービスを受け入れてくれない時はどうなの?」という場合。


お母さんにとっても頭と心がずれている“限界な状態”の可能性があります。
お母さんにとって大切にしたいことを聞いてみてください。
自分自身の限界を理解した時と同じように、相手の状況を理解することから始まります。

また、理解したとしてもお母さんの望みをすべて答えられない状態であるため、どのくらいまでなら協力できるのか?自分とお母さんの両方が大切にしている交差点を探ってみてください。






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