本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考える。
今回のテーマは、
「気軽」
です。
いよいよレースも終盤。
エイド(休憩所)を出てから数分後。
追いかけ続けた青いTシャツの選手は、もう見えなくなってしまった。
このままでは追いつけない。
さらにスピードを上げる。
が、
25キロ地点を越えて、足のつま先が痛み始める。
もともとハーフマラソン用のランニングシューズ。
長時間の走りで足がむくれ、下り坂の連続でつま先が靴の先端にぶつかり続けている。
いつもよりも、痛みを感じる。
さらに、破れた靴の側面からは小石が入り込んでくる。
こうなってくると最後の手段。
「気合」
しかない。
肩の力を抜き、お腹に力を入れて、お尻の穴を閉める。
腰の回転を意識しながら、先を見据える。
「通ります。すいません」「あ、ごめんなさい」
後から来た選手に道をゆずる。
ここへ来て追い抜かれる機会も増えた。
すぐに追いかけようとするが、選手の姿は見えなくなる。
僕が追い抜かれたポイントは、下り坂。
自分が加速できるポイントで追い抜かれる。
もしかしたら、僕は他のトレイルランナーと違って、下り坂がヘタなのかもしれない。
課題が見つかった。
今後の練習に下り坂を加えてみよう!
そんなこんなで、最後のエイド(休憩所)にたどり着く。
「お疲れ様ですー」
スタッフさんに迎えられ、カントリーマァムをいつものようにポケットへ入れる。
「あと少しです。頑張って!」
スタッフさんの声援で、身体に力が戻ってくる。
よし、あと少し!
「この辺って観光地ですよね?」
エイドで休んでいた選手の1人がスタッフさんに質問している。
「そうですね。眺めがキレイなところはいっぱいありますよ」「やっぱり! さっきの場所も、なんか見たことがあると思いました」
どうやら山の景色の話で盛り上がっているらしい。
確かに森の中を走って、突然開けた光景は素晴らしいと感じるかもしれない。
「ちょっと観光していこうかな」
え?
「写真撮ってきますわ。せっかくきたし!」
そう言って、この選手は今来た道を逆方向へ走っていく。
この行動にはスタッフさんも驚いている。
・・・。
あ、そっか。
あれぐらいの気軽さでいいんだよな。
もともとランニングの延長で始めたトレイルラン。
絶対にゴールしよう!
とか、
少しでもタイムを上げよう!
とか。
痛みや疲れで苦しい時に、そんな事を考えてもしょうがない。
トレイルランに挑戦し始めたのは今年。
出ている大会は3回目。
トレイルランをやっている人に指導を受けたこともない。
普通に考えれば、ただの素人。
なら、
まずは楽しまないと!
急に気持ちが軽くなる。
「頑張ってくださーい」
スタッフさんの声援を背中に浴びながら、僕は走り出したのでした。
追伸 人間は疲れているときほど、視野がせまくなってしまいます。
何でもない問題を深く考えたり、ちょっとしたことに腹を立てたり。
深く考えると、物事は深刻化してしまいます。
例えば、
「人間はいつか死ぬ」
これは誰もが知っている事実です。
普段、この問題を真剣に考え続けている人はいません。
この問題を深く考え続けるとどうなるか。
「今やってることも、どうせ死んだらムダになる」
そう考える人も出てきます。
そのいつかは、数十年後かもしれないのに。
大切なのは今を楽しむこと!
今が楽しければ、その場を乗り切ることができます。
難しいことはうまくいってから考える。
これぐらいの考えの方が人生楽しめるかもしれませんね。