誕生日ケーキのプレゼントも終わったところで、
「じゃあ、家帰ろうか!」
友人と共に実家へ向かう。
「親父と会うのも久しぶりっちゃろ?」「うん。元気にされてる?」「年齢も年齢だから、悪いところはあるけど。元気な方だと思う」
過ぎていく年月は、確実に歳を重ねていく。
「ひろちゃんと会えるの楽しみにしてるよ」「それなら良かった」
車の中、持ってきたキャリーケースに手を伸ばす。
「お土産も買ってきたから」「いつもありがとう」「だぁ!」
かーくんが反応する。
「かーくんのぬいぐるみも着いてから渡すね」「だぁ!」
よだれを出しながら喜ぶかーくん。
もしかしたら、彼は人の言葉を理解しているのかもしれない。
実家に到着。
「お久しぶりです!」「あらぁ!大山さん。お久しぶり!」「元気しとったかね?」「はい。おかげさまで」
友人のお父さん、お母さんは共に元気そう。
「大山さん、痩せました??」
ああ、やっぱり言われた。
「そうですね。筋トレを変えたから痩せたかもしれないです」「へぇー! そうなんだー!」
お母さんは相変わらず大きなリアクション。
いつ見ても、その反応が楽しい。
「これお土産です」「ああ、いつもありがとう。早速出しますね」
リビングに通されて、大きく太った猫が顔を覗かせる。
「オイちゃん、元気?」「ニャー」
友人が「おい」と呼んだら来るからオイちゃん。
雑な名前の付け方だと思ったが、何年も経つと愛着が湧く名前になるから不思議。
のそりと歩くオイちゃん。
「オイちゃんはもう年だからね〜」
以前訪れた時と比べて、心なしか動きが少し遅くなってる気がする。以前はもっと活発だった。
やはり猫も確実に年齢を重ねているのかもしれない。
リビングのソファーに座ってみんなでテレビ鑑賞。
「かーくん、また大きくなったねー」「だぁ!」
かーくんはここでも人気者。
目にするものに近づいては、すぐに口の中に放り込む。
人形でも、けん玉でも、何でも。
一度口の中で味わってから、遊ぶスタイル。
人間も適切な環境や教育がなければ、動物と同じなのかもしれない。
でも、そこがまた可愛らしい。
「はい。大阪のお土産ですよー」
お母さんがテーブルにお菓子を広げ始める。
シャっ!
急に眼の前を影が横切った。
「こら、オイちゃん!」
オイちゃんはすぐさま、お菓子に顔を近づけたのでした。
追伸 赤ん坊と猫。
見てると癒やされますね。
オイちゃんは年齢を重ねて大人しくなってるのかと思いきや、お菓子を狙う時はいつもと同じ、俊敏な動きでした。
年齢を重ねて動けなくなったのではなく、機会を狙って、力を温存していた。
そんな感じがします。
年齢を重ねて経験を積むと、猫も周りの様子を観察して動くようになるのかもしれませんね。