本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
大会の翌日。
スマホを確認すると、着信が入っていることに気付く。
早速かけ直してみる。
「もしもし?」
「もしもし。おはようございます!」
一緒に大会に参加するはずだった、仲間からの連絡。
「すいません。昨日寝てしまってて」
「いえいえ。トレイルの大会結果がどうなったか。それが気になってて」
ああ!
そうだった。
「結果は残念ながら26位でした。応援してもらったのにすいません」
少しの沈黙。
「どうかしました?」
「26位って、普通にすごくないですか」
仲間の一言。
「そうですか?」
「はい。トレイルランは初出場ですよね?」
「そうですけど」
彼の声が大きくなる。
「練習し始めたのっていつですか?」
「1ヶ月前ですね」
練習を始めたのは、ちょうど1ヶ月前。
「誰かに走り方とか教わったんですか?」
「いえ。ランニングしてた時の走りに、少し変化をつけたぐらいです」
再び会話が止まる。
「普通にすごいと思いますよ!」
「まぁ、練習はしましたからね」
「山には何回行ったんですか?」
頭の中の記憶を掘り起こして数えてみる。
「3回ですね」
「3回練習しに行って、26位はすごいですよ!」
電話越しでも、彼のテンションが上がっているのが分かる。
「まぁ、他にもすごい人いましたけどね。表彰台に乗ってた人なんか、若いのに記録がずば抜けてましたからね」
優勝者の姿を思い出す。
「若い方も出場されてたんですか?」
「もちろんです。69歳の方もおられましたけど、皆さん若い印象です。スポーツやってる影響もあるかもしれませんね」
おそらく運動は、人を若返らせる効果があると思われる。
「優勝した人は何歳ぐらいですか?」
「多分、20代ぐらいだと思いますよ。さわやかな青年といった感じの人です」
どうやったらあんなに速く走れるんだろう。彼の事を思い出すと、無性に聞いてみたくなる。
「やっぱりすごいですよ!」
「何がですか?」
「だって僕ら40代なんですよ!」
え。
「40代で若い人が参加する大会に参加して、1ヶ月練習したら26位。十分すごいですよ!」
僕は彼の言葉の熱量で、初めて自分の結果が悪くないことに気付いたのでした・・・。
追伸
人と情報を共有すると、気付きがたくさん生まれますよね。
「年齢がハンデになる」
という考え方。
僕自身、あまり意識したことがありません。
それはなぜか。
若い時の自分よりも、今の自分の方が足が速いからです。
27歳の時。
週に1度、10km走ってやろう!
そう思って挑戦したことがあります。
結果は・・・。
走って20分経った後。心臓が爆発しそうだと感じ、たった1度の挑戦で辞めてしまいました。
今考えると、かなり恥ずかしいエピソードです。
それから13年後。
40歳の僕はハーフマラソン、フルマラソン。両方とも完走することができました。
つまり、若い時よりも、今のほうが身体の調子が良いんですよね。
「自分が見ている世界と、他人が見ている世界は違う」
現代心理学の父と呼ばれる、アドラーの言葉。
今回の僕の場合。
「自分が残念だと思っていた結果も、人の視点に置き換えると、素晴らしい結果だと感じることができる」
視点を変えるだけで、さまざまな答えを導き出せる。
これを仲間から学ぶ事ができました。
もし、ご自身の答えに不安を感じる時は、人と話して視点を変えてみるのもいいかもしれませんね。