本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考える。本日のテーマは、
「自分が持っているものに目を向ける」
です。
「やっぱりダメですよね・・・」
彼女はうなだれている。
「何がですか?」
「親にお金払ってもらって、学校へ行ってて。。でも、いつの間にか引きこもっちゃって」
彼女は進んで話し始める。
「最初は、なんか身体がだるいなぁ~。みたいな感じだったんです。でも、朝起きた時、もういいやってなって」
「そうなんですね」
「仕送りしてもらいながら、バイトもしていたので。ある程度貯金もできたんで、働かずにたまには休んでもいいかなって」
なるほど。
「そう思ったらズルズルいっちゃった感じです。そろそろ動かなきゃとは思ってるんですけどね・・・」
彼女は遠い目をしている。
「こんな私ってダメなですよね」
「そうですね。考え方次第かもしれませんね」
「考え方ですか・・・」
「はい」
自分が引きこもりだった時のことを思い出す。
「例えば、日頃から忙しくしていたりだとか、時間に追われていたら。人はどうなると思いますか?」
「えーっと・・・」
彼女は考えている。
「マラソンってやったことありますか?」
「あ、はい。小学生の時とかですけど」
「ずっと走っていたら、人はどうなります?」
少しの沈黙のあと、
「疲れますね」
「そうです。人は疲れたら歩きますし、休んだりもします」
人生とは、マラソンのようなもの。
「がむしゃらに走っている時は疲れを感じなかったりするんですが、やっぱり走るのが好きじゃないと人は立ち止まってしまう。そういうものなんです」
「はい」
「でも、立ち止まったら立ち止まったで、新しい視点ができてくると思います」
「新しい視点・・・」
「今まで見えてこなかったものが見えてきませんか?」
「えーっと・・・」
彼女は再び考えている。
「ちょっと分かんないです」
「今の自分をどう思います?」
「ダメだと思います」
「なぜですか?」
「学校へ行ってないし、バイトにも行ってない。家でゴロゴロして・・・。今日もあの子から連絡をもらわなかったら、ここに来てないかもしれません」
「じゃあ、あなたはどうしようもなくダメな人間なんですか?」
「ダメ・・・ですね」
「この世の中で、一番ダメな人なんですか?」
・・・
しばらくの沈黙。
「さすがに一番ダメではないと思います」
「なら、良かったじゃないですか」
「え」
「この世の中で一番ダメなやつだったら、どうしようもないですけど。そうじゃないんですよね?」
「あ、はい・・・」
彼女はぽかんとしている。
「僕が引きこもりの時は、ここに連れてきてくれるような友人もいませんでした」
「そうなんですね」
「でも、あなたにはご友人もいるし、お金を出してくれている両親もいる。何より、ここへ足を運んでいる時点で、自分を治そうという意思があります」
「・・・」
「それってすごいことだと思いますよ」
彼女は黙って頷いたのでした・・・。
追伸
人は悲しみや孤独にうちひしがれている時、
どうしても、ないものに目を向けてしまいます。
自分には力がない。
お金がない。
できることは何もない。
そう言っている人たちをたくさん見てきました。
でも、実際は、
誰にでも得意なものはありますし、
家族や友人がいたり、自分が悪いと思うからこそ悩んだり。
大前提をお伝えすると、
自分が悪いと思っていなければ、そもそも悩んだりしません。
悩まずに開き直って、ずっと閉じこもっている人もいますし、世の中に迷惑をかけ続けている人もいます。
そこまで悪い人間でもないのに、
自分を攻め続けることで、自分の人生は最悪だと思いこんでしまう・・・。
人にはそういう側面があります。
自分が最悪じゃないと気づいた彼女はどうなっていくのか?
続きます。