本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考えよう。
本日のテーマは、
「本音と建前」
です。
「それじゃ、近くの喫茶店にいるから」
「うん」
そう言って、紹介してくれた女性が席を立つ。
2人になって改めて話を進めていく。
「それでは聞いていきますね」
「はい」
何から聞いていこうかな。
「学校というのは大学ですかね?」
「はい」
「大学に行かれた動機はありますか?」
「え」
驚いた表情。
「大学って普通は、行くものじゃないんですか?」
「行かれる方は多いですね。僕は後から行きましたけど」
「後から?」
「はい。もともと専門学校に通うために大阪に来たので」
高校卒業してから専門学校へ入学。
「何で専門学校だったんですか?」
「そうですね。お恥ずかしい話ですが、テレビゲームが大好きだったので」
冗談抜きで、死ぬほどゲームをしたことがある。
「テレビゲームが作りたくて、専門学校へ行きました」
「そうなんですね!」
彼女はなぜか少し嬉しそう。
「どうしました?」
「いえ。夢のために勉強するってすごいなって思って」
あらら・・・。
「大学へは目的があって行ったんじゃないんですか?」
「いや、友達とかが行くって言ってたんで」
「お友達ですか」
「はい。あとは大学出てたほうがいいって親も言ってて」
なるほど。
「別にやりたいことがあるわけじゃないって事ですね」
「はい。やりたいことがまだ分からなくて・・・。もうすぐ20歳なのに」
「そうですね・・・。僕は目的を持って専門学校へ行きましたけど、目的のない人はたくさんいましたよ」
最初から目的を持って進学している人は少数だったイメージ。
「そうなんですか!」
「はい。ゲームを作りたいじゃなくて、ゲームが好きで学校に通っているやつもいましたし。僕もどちらかというと、そっちだった気がします」
「ゲームが好きだったんですか?」
「はい。好きだから卒業できたんだと思います」
「カッコいいですね!」
「でもゲームクリエイターになってないですからね」
自分で話していても笑ってしまう。
「何でならなかったんですか?」
「人間関係ですね。チーム制作で色々あって・・・」
「へぇ~」
「人生いろいろですよ」
彼女は黙って頷いている。
「分かります?」
「え」
「人間って別に、ずっと決まった道で生きてるわけじゃないんですよ」
自分がやっていること。思っていることが必ず正解とは限らない。
「もしかしたらですけど、結構真面目に生きてこられたんじゃないでしょうか?」
「真面目・・・ですか」
「進学の理由に、友達が親が。というお話がありました」
「はい」
彼女は人に言われた役割を、必死で演じようとしているイメージ。
「でも、自分が行きたかったという話はまったく出てこない」
「そうですね。やりたいことが見つからなくて」
「勉強は楽しいですか?」
「・・・」
「正直に言っていただいて大丈夫です」
「楽しくないです」
動機のない勉強ほど退屈なものはない。
「でも、親にお金払ってもらってるんで」
「行かないといけない?」
「そうです」
「今日来た彼女以外に、学校にお友達はいますか?」
「・・・・」
「ちなみに僕、専門学校のときに友達と言える人はほとんどいなかったですよ」
笑いながら伝えてみる。
「そうなんですか!」
「はい」
「私もいないです」
「それは学校へ行っても楽しくないよね」
「はい・・・」
ようやく彼女から本音がこぼれはじめたのでした・・・。
追伸
自分がやりたいことと、今やっていることが同じ。
という人はなかなかいません。
さまざまな相談者に、
「仕事は楽しいですか?」
という質問をした時、
「楽しいです!」
と笑顔で答える人はほとんどいませんでした。
でも、
人は仕事をします。
お金のため
生活のため
辞めたいけど辞められない。そんな事を思いながらやっていると、身体はおかしくなっていきます。
彼女の場合も同様です。
やらなきゃいけないけど、やりたくない。
その葛藤が・・・。
続きます。