本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考えよう。本日のテーマは、
「引きこもり」
です。
「大山さんって、引きこもりしたことあるんですよね?」
相談者の女性に聞かれた質問。
「ありますよ」
「それじゃ、どうやったら、引きこもりから立ち直るとか分かりますよね?」
うーん・・・。
どうだろう。
「本人の引きこもりの原因にもよると思いますし・・・」
一応伝えておこう。
「その人が働いた事があるかないか、これがポイントになると思います」
これは結構重要なポイント。
「社会人かどうかって事ですか?」
「というよりかは、自分のお金で生活したことがあるかどうかですね」
「そうなんですね・・・」
心配そうな表情。
「引きこもりの方がおられるんですかね?」
「はい。幼馴染なんですけど。高校まで一緒だったんですけど、大学で別れてから引きこもったみたいで」
なるほど。
「大丈夫かどうか心配で・・・」
「本人が何を望んでいるかですね」
「望んでる?」
「そうです。本人が引きこもりたくて引きこもっているのか。それとも、自分が抜け出したいと思っているのか」
「そうですよね・・・」
引きこもりというのは、誰かに強制されてなるものではない。
最初のきっかけはどうであれ、自分が選んだケースがほとんど。
「もし、本人が変わりたいみたいな事を望んでいるなら、おっしゃっていただいたら。引きこもりの先輩としてお伝えできることもあるかもしれません」
「・・・分かりました」
それから1ヶ月後。
「大山さん、お話だけ聞いてもらえますか?」
「幼馴染の方ですかね?」
「そうです。本人もこのままじゃいけないっていうのは感じてるみたいで」「分かりました。ただ、話が始まったら二人で話す感じでも大丈夫ですか?」「はい、おまかせします」
というわけで、お話の場を設けることに。
「はじめまして大山といいます」
「今日はお願いします」
相談者の女性の横に、もうひとりの女性。
「お願いしますー」
彼女にも声をかけるが、彼女は軽い会釈をするだけ。
髪はセミロング、容姿も今どきの女性といった感じ。引きこもりと言われても分からない。
ただ、
視線が下向きなのと、緊張しているせいか、両手は固く結ばれている。
「緊張しなくていいですよ」
「あ、はい」
しばらく雑談を行い、本人が落ち着ける雰囲気を作る。
そして、彼女が口を開き始める。
「大山さんって引きこもりの経験があるって聞いたんですけど」
「はい」
「それって何がきっかけだったんですか」
「うーん。話すと多分、かなり長くなるんですけど・・・」
「はい」
「ざっくり言うと、人間関係ですね」
「人間関係・・・」
彼女の口がかすかに動く。
「ご自身も人間関係ですか?」
「いや、私にもよく分からなくて」
分からないかぁ・・・。
「ただ、いつもみたいに学校行って、バイト行って・・・。ってやるはずだったんですけど」
「はい」
「なんか分かんないんですけど。もういいやって思っちゃったんです」
「そこから引きこもりに?」
「いえ。学校とかはちょくちょく行ってたんですけど。私がいてもいなくても世の中は変わらないんじゃないかなって思って」
「それで気づいたらって感じですかね」
「そうですね。多分・・・あんまり自覚はないんですけど」
彼女は隣の女性に目をやる。
「なんか心配されてるから、もしかして私そうなのかなって」
なるほど。
「一つ言えるのは」
「はい」
「本当の引きこもりだったら、この場所まで来れてないですからね」
「あ」
二人の女性が同時に声を出す。
「それじゃ、ちょっと聞いていきますね」
僕は話を進めていったのでした・・・。
追伸
ここ数年、引きこもっている人が増えていると聞きます。
が、
引きこもっている本人がすすんで相談に訪れることはあまりありません。
相談に乗ったほとんどのケースは、
本人ではなく、引きこもっている方の親御さんでした。
なぜなら、
引きこもっている本人は、好きなことをやっているからです。
引きこもりをやめる理由がないんですよね。
なので、
今回、最も大切なのは、本人の意思になります。
彼女は本当に引きこもりなのか?
続きます。。