本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考えよう。
本日のテーマは、
「自分の希望とお客様の希望」
です。
前回の相談から2週間後、
「お久しぶりです!」
「お久しぶりです」
再び男性とスーツの売り方について話し合う。
「いかがでしたか?」
「いや~。色々ありました」
進展があった感じ。
「どんな事がありましたか?」
「まず、お客様の要望を聞く機会が増えました」
「おおっ。それは以前とは何が違うんですか?」
彼は考えながら、
「僕はスーツが好きでスーツ屋さんになったので。知識では負けない。そう思ってました」
「はい」
「なので、お客様ならこれが良いですよ。という提案ベースだったんですが。まず、お客様に好みのスーツを選んでもらってから話すようにしました」
お客様が服を選べるスーツ屋さん。
「お客様の反応はいかがでしたか?」
「そうですね。前より、スーツの商品説明を、話を聞いてくれるようになった気がします」
人は自分の興味のあることには、いくらでも耳を傾ける。
「良かったですね」
「はい!」
成果は上がっている様子。
「ただ・・・」
「何かありましたか?」
「そうですね・・・。話を聞くっていう事に、僕は慣れてないのかもしれません」
ん?
「というと、どんな感じでしょうか?」
「はい。今まで、説明のためにたくさん話していたんですが。今はお客様の希望ベースになったので」
良いことではなのかな?
「僕の好きな商品を売るっていうのが、あまり・・・」
なるほど・・・。
「ご自身の希望が、人をカッコよくするでしたもんね」
「はい! そうなんです!」
自分がお客様をカッコよくする彼の考え方は、自分が主体になっている。これは少し伝えたほうがいいかもしれない。
「お客様はカッコいいと思って、スーツを選ばれてるんですよね?」
「はい」
「お客様の希望に合わせて、より良い提案を伝えていくことは可能ですか?」「はい。それもやっているんですが・・・」
自分が主役になりたいその想いが、彼の心の奥底にあるのかもしれない。
「ご自身の目的はスーツを売りたいんですよね?」
「はい」
「接客でスーツを売るには、お客様の意見を聞くのと。ご自身が話すのでは、どちらがお客様の満足度が高いと思いますか?」
「それはお客様が話す方だとは思うんですけど・・・」
納得がいかない様子。
「兵庫県ご出身ですよね?」
「あ、はい」
突然の僕の言葉に驚く男性。
「32歳でご結婚されて、現在結婚5年目」
「はい」
「4歳の娘さんが1人」
「はい」
「去年にスーツの会社を立ち上げて、友人のバーを手伝いながらスーツを販売している」
「よく覚えてますね」
最初にお会いした時に、1時間以上、彼が話していた情報。
「では続いて質問しますが」
「はい」
「僕のことは知ってますか?」
「え・・・」
彼は急に口ごもる。そして、続けて話したのは僕の名前と、僕が所属する会社の名前。そして、僕の年齢は間違えて、家族構成も知らない。
「お誕生日は4月22日ですよね?」
「そこまで覚えてるんですね!」
「はい。お話を聞いていたので」
彼は黙って、下を見ながら・・・。
「やっぱり話を聞いたほうが良いってことですよね」
「もしくは・・・」
「何か方法があるんですか?!」
彼の目が輝く。
「ファンを作ることですね」
「なるほど。ファンですかぁ・・・」
彼は納得し始めたのでした。
追伸
相談で一番大切なのは、「本人の答え」です。
接客は聞くほうが有利。
という事実を伝えても、本人がそう思わなければ、この提案は何の意味も持ちません。
なので、ファンのお話もさせていただきました。
自分の知名度を上げて、常連のお客様を作って。
「君にスーツを任せたい」
というファンができれば、ご自身の願いは実現可能だと伝えました。
そのためには、まず接客。
「聞くことから始めてみませんか?」
というご提案。
彼の課題も継続していただく形にしました。
彼が今後、どう変わっていくのか。
続きます・・・。