「口から食べられるうちは」って?

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先日、初めてココナラでの仕事依頼がきました。

「高齢者の栄養相談やアドバイス」として売っているので、キラキラと目立つものでもなく、需要はないだろうと思っていましたが、
登録から1年目で依頼飛び込んだことに、自分でいうのもなんですが正直驚きました。もちろん嬉しかったです。


登録した一番の理由は、副業したい稼ぎたいというものではなく、
管理栄養士というスキルを施設や病院やクリニック以外でもっと広く生かせないかなと思ったためです。


「ちょっと最近食事が飲み込みにくいな」「血糖値が高いから食事に気をつけろって病院で言われたけど、実際どんな食事にすればいいのよ」など・・・
クリニックでは教えてもらえないし、介護サービスでデイサービスを利用しているけど食事のアドバイスは具体的には示してもらえない、ということもあるかと思います。

ともすれば
「まあ仕方ないかもう長く生きられないし」「少し様子を見るかもう長く生きたくないし」
など思ってしまいがちなところを、

相談する場所があったら違う気持ちになるのでは?
聞いてもらえる人がいれば安心できるのではないか?
栄養や食事のプロからアドバイスをもらえたら頑張ってみようと思えるのではないか?

そんなことを思ってココナラに登録をしてみました。


今回依頼を受けた内容は
「母の食がどんどん細くなり、ほとんど食べられなくなり困っている。食べやすいレシピを頂きたい」
とのことでした。

まずは現状やあれこれ背景をお聞きしました。

聞くと、結構な低栄養状態。

BMIという体格指数を調べると「16.9」で適正体重である「22」とは程遠い。(高齢者の場合目標とする基準値は21.5~24.9と言われています)

必要エネルギー量の50%(大きく見積もり)ほどしか召し上がれていませんでした。

最近では血圧も低下気味、
歩くときにふらつき、何回か転倒されている、
7年前に総義歯にしてから硬いものが食べられなくなり、体重もどんどん減っていっているとのことでした。

長男さんと同居されていますが仲が悪いらしく会話なし、
長男さんがマメに料理をされるとも考えにくく、やはり昼食はご飯やパンのみ、夕食は冷凍食品とのことでした。

これは本当に大変!と優先順位を決めてアドバイスさせて頂きました。


依頼された方は本当にお母様の身体を心配されており、
主治医に「点滴をして欲しい」とお願いしたそうです。

しかし、主治医は「点滴は血管を痛めるから、口から食べられるうちは口から食べるように」との見解だったそうです。

お医者様がそうおっしゃったのなら、従うしかありません。


しかし、
現に食事は必要とするエネルギー量の半分ほどしか摂れていないので体重は低下して、
適正体重からかけ離れた低体重で低栄養状態なのは数字に表れていますし、
ふらつく転倒するなど症状もあります。

これで「口から食べられるうち」と呼べるのか疑問が残るところ。
だったら、経腸栄養剤(各種栄養素がバランスよく含まれたドリンク)を処方してよと思ったりもしました。

ご依頼主様には食べやすさと栄養価を考えたレシピと、
食事の際気を付けることを表にしたものを送らせて頂きました。
順調に回復して頂けたらなと心より願っているところです。


365日の毎日、基本朝昼晩の1日3回とる食事は、日常に組み込まれた生きていくために欠かせない当たり前の行動でありますが、
高齢者では身体機能の衰え慢性的な疾患により、一般の成人よりも脆弱なので、
なにか小さなストレスがかかるだけでバランスを崩し、
その日常に組み込まれた生きていくために欠かせない当たり前の行動ができなくなり、
あれあれ?何だか食べなくなってきたな~と思っているうちに、数日でほとんど食べられなくなってしまった、なんてことはざらにあります。


この夏の猛暑、少し暑さが落ち着いたとしても、それまでに受けた暑さのダメージがじわじわと身体を痛めつけてくるということも十分に考えられます。
気を抜かずに体調管理することと、
非常に難しいことですが、周囲の人が体調の変化を察する、気が付く、スルーしないことも大切になってきます。

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