自分も認知症になりかねない

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明日は我が身として予防に取り組む

超高齢化社会に伴い、認知症患者も増加傾向の一途をたどっています。

厚生労働省の認知症患者の将来推計によると、
認知症を患う高齢者は2025年には約700万人、その数は65歳以上人口の約20%にも及びます。
2030年には約800万人、65歳以上人口の約23%
2040年には約950万人、65歳以上人口の約25%
もはや、高齢者となれば認知症を患っても何らおかしくない、という数字に思えてしまいます。


認知症の原因となる病気で最も多いのが、アルツハイマー型認知症です。次いで脳血管性認知症、レビー小体型認知症と続きます。
認知症といっても、脳の障害される場所により症状が異なってきます。


これら認知症の原因は、
アセチルコリンという副交感神経の神経伝達物質の減少と、グルタミン酸という興奮性の神経伝達物質の過剰が関連すると考えられています。

アセチルコリンは運動や学習で分泌が促進されます。
アセチルコリンの生産には、コリンやレシチンといった物質が原料になるといわれています。これらは、卵黄・レバー・大豆・赤身肉・鮭などに多く含まれています。

グルタミン酸は体内で作られるアミノ酸の一種です。
新しい記憶の保存と脳内にある記憶の検索に関与しています。
昆布などに含まれる旨み成分のグルタミン酸は脳内へ行くことはないと考えられているため、グルタミン酸を食べないように量を控えても意味がないようです。


では、認知症を予防するには、アセチルコリンを増やす食事をする、グルタミン酸を過剰に作らないような食事をする、のかというと、それとはまた違うようです。


認知症を予防するための脳トレや、作業療法など、取り組みは様々ありますが、
私は管理栄養士なので、食事と栄養の観点から述べていきます。


認知症を予防する食事とは
実にシンプルです。
「多様な食品を使った食事」です。


「様々な食品が摂れている人は、認知症になりにくく、健康寿命が長い」という研究データが国立長寿医療研究センター老化疫学研究部により示されています。


穀類、いも類、豆類、種実類、緑黄色野菜、淡色野菜、果実類、キノコ類、海藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類


これらの食品を毎日まんべんなく食べている人は、認知症になりにくい上に、健康寿命が長いということ。

様々な食品を毎日摂ることを心がけ
食べる頻度が少ない食品はできるだけ毎日食べるようにする。

バランス良い食事を心掛けよう!
と言われるよりも、
具体的に何を食べたら良いのかが分かりやすくて実用性があるのもいいなと思っています。

様々な食品を食べることで、必然的に様々な栄養素を取り入れることができ、結果的にバランスの良い食事ができているというわけです。

さらに、様々な食品を使って何を作ろうかなと、献立を考え調理したり買い物をすることは、認知機能の低下を防ぐことになり、食べるまでに至る行為も認知症予防になるのです。


認知症の治療薬といえば、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンなどが広く使用されていますが、これらは認知症の進行を遅らせる薬であり、認知症を治す薬ではありません。

認知症を根本から治す薬は現在のところまだありません。
臨床試験を突破して処方薬として出回るまでには、まだ時間がかかるようです。


なので、認知症にならないように予防することが最も重要となってきます。


ちなみに、
糖尿病が認知症の2トップであるアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の発症リスクとなることがわかってきました。

多様な食品を食べることは(=バランスの良い食事)、糖尿病を予防する意味でも非常に効果があります。

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