中小企業経営のための情報発信ブログ111:組織づくり・組織改革

記事
ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、今日は、「組織づくり・組織改革」について書いていきます。
コロナ禍で先行きが見通せず激動のビジネス環境で変革は避けて通ることはできません。しかし、"やってる感"だけの見せかけの名ばかりの改革が横行しています。それでは何の意味もありません。
NECはこれまでも過去に「○○改革」と呼ばれるものを実施していますが、ことごとく失敗に終わっていました。そこで新たに就任した新社長が、社員と対等に語り合う場を設けたことで、社員から「大企業病だ」「内向きだ」「スピードが遅い」と素直な意見を突きつけられ、社長の危機感に火をつけたことで新たな改革が始まりました。今は硬直状態を溶かすための基盤整理の時期、経営陣を全く信用していなかったところから「信用してもいいかな」と変わってきたところです。今後は更に変革するための時期として、具体的な施策を実施することになっているようです。
1.組織改革の必要性
 どの企業でも経営者や管理職は「変革しなければならない」と感じているはずです。社員の中にも変革が必要だと感じている者も多くいます。
 組織変革というと、抜本的な改革を思い浮かべますが、多くの企業にとってV字回復的な変革は必要ありません。むしろV字改革的な変革を狙えば失敗します。コロナ禍で、売上や業績が大幅に落ちた企業は多いのですが、一般的にはコロナ前から売上が毎年少しずつ10年間落ち続けているという企業が多いのです。こうした慢性疾患と言える状況にコロナ禍が追い打ちをかけているというのが現状でしょう。コロナ禍だけを捉えれば、外科的手術が必要な場合もあり得ますが、根本となる慢性疾患を治すためには日々のセルフケアを続けて寛解を目指すことです。これまでも言っていますが、変革には時間がかかります。少しずつ前に進めていくしかありません。
2.改革のスタートは社員の声を聞くことから
 先ほど書いたように、NECの改革は社長が社員と対等で話し合う場を設けたことで始まりました。経営者や管理職がビジョンや計画を掲げても社員が動かない限り変革はできません。社員を巻き込んでこそ変革は成功するのです。経営者や管理職が方向性やメッセージを打ち出すだけではいけないのです。それを社員一人ひとりに腹落ちさせて消化させなければなりません。
 ポイントはコミュニケーション、特に「聴く」ことです。
 急激な大変革ではなく、一人ひとりと対話をしながら地道に広げていくことが大切なのです。現場とのコミュニケーションを重視して社員の声を聴き、それを改革に活かすことです。。
 先ほどのNECでも、社長が「会社を変える」という思いを伝える真剣勝負の場で、社長の本気度が伝わったために社員から忖度のない意見が飛び出したのです。
 組織の慢性疾患については、一つずつ着実に手をつけるしかありません。事業拡大のスピードに組織がついて行けなくなると慢性疾患は更に悪化し、どこから手をつけていいか分からなくなってしまいます。
 先ほども言いましたが、経営層が戦略や方向性を伝えるだけでは、たとえそれが正しいものであったとしても社員はヤル気になりません。経営層が描く風景の中に自分が登場人物になれないからです。社員一人ひとりとコミュニケーションをとり、経営層が描く風景に巻き込んで自分が登場人物であるという意識を植え付けることが大切になってきます。
3.社員が会社を信用して初めて改革は動き出す
 社長や経営層が社員の声を聴いて、その声を活かして活動を始めても、すぐに効果が出るものではありません。社員は、経営者のやることを冷めた目で見ています。会社の社員であるにもかかわらず、自分とは関係ないという意識が存在しているのです。無関心ならまだしも、会社や経営層を全く信用していないということも多いのです。「信用されていない」ものを「信用される」ものに変えるには時間がかかります。それにはコミュニケーションしかありません。いつも言うようにコミュニケーションは、よりよい人間関係や信頼関係構築に必要不可欠のものだからです。
 コミュニケーションをとったとしても、すぐによりよい人間関係や信頼関係が構築されるものではありません。コミュニケーションを重ね、お互い相手のことを理解できるようになって、最初は大きく離れていた距離が少しずつ縮まってくるのです。
 距離が縮まれば、社員も、自分も会社や経営層が行なう改革の登場人物であると認識し、会社や経営層が描く背景の中で自発的に動いてくれるようになります。
3.対話を諦めないことが企業変革の第一歩
 「会社を変えよう」と気負う必要は全くありません。まずは身の回りで「変えないといけない」「これは嫌だ」と感じることに対して、具体的な手立てを考え、少しずつ変えていくことです。一気に変える必要はありませんし、一気に変えようとするのはむしろ危険です。
 大事なことは、社員との対話、コミュニケーションをとり続けることです。社員はすぐに変わらないかも知れませんが、それに腐ることなく、根気よくコミュニケーションをとり続けることです。最初は目に見えない変化かも知れませんが、時が経てばはっきりと変化が見えてきます。変化が見えるようになれば、あとは急速に変革していきます。
 まずは第一歩を踏み出すことです。第一歩を踏み出さなければ何も変わりません。その第一歩は対話です。経営層は社員の声を聴くこと、社員は忖度のない声を経営層に届けることです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す