中小企業経営のための情報発信ブログ35:ダイバーシティと共感力

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございました。
今日は「ダイバーシティ」と「共感力」について書きます。
ダイバーシティというのは「多様性」「相違点」「多種多様性」のことです。とりわけ、ビジネスの世界では、企業経営のキーワードのように用いられています。それは「個人や組織の間に存在する様々な違い」のことです。
従って、ダイバーシティ=女性活用ではありません。性別のとどまらず、人種、宗教、価値観、障碍者、ライフスタイルといったあらゆる観点からの多様性が求められるのです。
今こそ、ダイバーシティの考え方を正しく理解する必要があります。
ダイバーシティの基本は、多様性でくくられることになった特性を持った存在を認め合い活かしあうということです。会社内において、外国人、障碍者、若手・パート・再雇用者など区別されやすい存在を差別的な目で見ることなく、認め合い、いかにその特性を生かし活躍できる環境を作っていくかということが重要です。
組織においては、それぞれが持つ特性や経験やキャラクターなどを活かして一層の活躍を実現していくということがダイバーシティの基本的な考え方です。
ベテランだけでなく若手や新人の考え方をアイデアとして取り入れるとか、パート社員や再雇用者の経験やノウハウを現場に活かすとか、運動機能に支障のある障碍者をクリエイティブな業務で活かすとか、発想一つで既成概念を覆すような活躍の場はいくらでもあります。
女性の活用というのもその一つです。女性だからという理由で優遇するのとも違います。性別ではないのです。男性・女性・LGBTに関わらず適材適所に適切な人材を配置するということこそが重要なのです。
まずは固定観念や先入観を捨てることです。今まで男性が担当するのが当たり前であった業務も、女性が担当することでもっとうまくいくのではないかと考えてみることです。同時に単に女性という観点だけでなく、個々人の個性や特性をどうすれば一層の活躍につなげられるかという発想を持つことです。
次にあらゆる差別や蔑視はマイナス思考や先入観から生まれます。
「どうせ○○だから」「○○にできるはずがない」といったマイナス思考の先入観です。経営者や管理者はこうしたマイナス思考の先入観を止め「○○にやってもらえばもっと違う効果が出るかもしれない」「○○だからできることもあるんじゃないか」といったプラス思考に切り替えるべきです。
日本におけるダイバーシティ認識はまだ不十分ですが、まずは経営層、上司が認識を変えることからスタートすべきです。
1.多様性の価値が浸透しない日本
 「多様性」(ダイバーシティ)は、いま世界全体が共有している重要なテーマです。東京五輪が掲げた「多様性と調和」という理念も、森前会長の不適切発言に始まる一連のごたごたで空疎に響いていました。
 日本では、社会全体に多様性の意識が大きく欠落しているように思います。 また、日本だけでなく、アメリカでも「多様性を重視すべき」という価値観を信じる人が多くいる一方で「多様性の実現なんてコストも時間もかかるし無意味だ」とその重要性に疑問を呈する人もかなりいるようです。特にアメリカでは性別だけでなく人種問題が根強く残っているのです。
2.多様性の価値とは何か
 日本では、多様性の本質を考えずに「とりあえず組織に女性を入れておけばいい」というような乱暴な発想をする人が多いのです。 
 多様性がもたらす豊かさや組織に多様性があることで成長の機会が与えられるという本質的な重要性を理解せずに単なる手続き論だけが先行すると、表面的な議論や人数合わせで終わってしまいます。「多様性の価値とは何か」という多様性の本質について考える機会を増やさなければなりません。  
 「男性ばかりの組織というのは『片足でマラソンをする状態』だ」と言った人がいますが、言い得て妙です。世の中には女性をはじめ多くの多様な豊かな資源があるのにそれを活用しないのはもったいないです。 
 人材や働き方が多様化することで、組織が得られるものとして次のようなものがあるとされています。
Ⅰ:イノベーションを生む・・・異なる視点の発想が相乗し合うことでイノベーションが生まれます。多様な人材の多様なアイデアと経験を活かせる組織はイノベーションが生まれやすいのです。
Ⅱ:顧客の共感を呼ぶ・・・顧客や消費者は自分の属性に近い人物に共感する傾向があります。商品開発や販路開拓などで多様な人材が持つ個性を生かすことで、顧客の共感を呼び、企業は競争力を強化できるのです。
Ⅲ:優秀な人材の確保と採用・・・働き方の選択肢を増やすことで、従来の勤務スタイルで対応できない仕事や優秀な人材の流出を防げるとともに、優秀な人材を採用できるのです。
3.権力は、共感力を鈍らせる
 組織の人材や働き方が多様化する中で、リーダーはこの多様性と向き合い、多様性と調和を図りながらリーダーシップを発揮しなければなりません。
 優秀なリーダーかどうかは、自分の感情をコントロールして、常に人間として尊重できる振る舞いを他者に対してできるかどうかです。
 今の時代、リーダーシップには「共感力」というスキルが重要です。「共感力」というのは一面スキルではありますが、センスではないかと思います。
 リーダーには大きく分けて「率い型のリーダー」と「まとめ型のリーダー」がいます。
 「率い型のリーダー」の場合、「俺の言うとおりにやれ」的な強引なやり方が、共感力を麻痺させ、部下をパワーで従わせようとしてしまうのです。
 確かに「まとめ型のリーダー」でも「決断力」を発揮しなければならない場面は多々あります。リーダーである以上当然です。しかし、優れたリーダーは、パワーを使うタイミングを心得ています。 
 普段は部下との人間関係や信頼関係を築きながら、ニュートラルでバランスの取れた判断を行い、ここといったタイミングで自らのパワーを発揮するのです。そうすることで、部下はその上司に共感して従います。 
4.共感力を高める方法
 「共感力」というのは、他人の意見や感情などに、その通りだと感じること、他人と喜怒哀楽を共にする力です。
 一般に共感力の高い人は、①感受性が強い ②他人に関心がある ③他人との共通点を見つけようとする という特徴があり、逆に、共感力がない人は、①他人に関心がない ②他人の気持ちを考えられない ③自分本位という特徴があります。
 共感力はコミュニケーションを円滑にするので、そのスキルを身につけておく必要があります。共感力はセンスでもありますが、センスも磨いて鍛えることは可能です。
Ⅰ:相手の話をよく聞く・・・相手の話をよく聞くことで、相手の考え方や好みを理解し、相手がどのように考えているのか、相手が何に興味を持っているのか、相手のことが理解できるようになります。相手のことを理解することが「共感」の第一歩です。
Ⅱ:相手に立場になって考えてみる・・・相手の立場にたって、物事を見て考えることです。、そうすることでさらに相手への理解が深まり、。相手の考えを推測できるようになります。
Ⅲ:経験を高める・・・人にはそれぞれの考え方や感情があります。人はみな自分の感情しか経験できませんが、他人と接することや本を読むこと、人生経験を積むことで他人の感情を理解できるようになります。
共感力を身につけるためには、より良い人間関係や信頼関係を築くことが大切であり、そのためには対話や雑談が必要です。相手の話を聞き、相手の立場に立って相手の考えや感情を理解することです。
考え方や意見も多様化する組織で、リーダーシップを発揮するのは、なかなか難しいことですが、何度も言うように、それにはより良い人間関係・信頼関係の構築とコミュニケーションです。
しかし、過度な共感力は問題です。他人のネガティブ、マイナスの感情に引きずられたり、他人の意見に流されたりしないように注意することも大切です。
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