【第3回|デザイン思考を学ぶ】問題定義プロセス

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ビジネス・マーケティング
デザイン思考は①共感、②問題定義、③アイデア創造、④試作、⑤実証のプロセスで進められる。共感プロセスで顧客を知り、共感し、様々な情報を獲得した後はその情報から問題を発見し定義する。第3回目は「問題定義」プロセスを説明する。

1. 問題定義とは解決するべき問題を定義すること


問題定義とは共感プロセスで収集した情報をもとに人間視点で解決するべき問題を発見し、定義することである。

2. 問題定義の実践


ここでは共感マップや感情曲線など顧客一人一人を観察し獲得した情報が手元にあることを前提に進める。

2-1. 顧客のジョブを特定する


顧客が抱えるジョブを特定する。ジョブとは「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」であり、また「ジョブには3種類ある」とクリステンセン説明しています。

①機能的ジョブ
商品の「機能」を利用することで、満たされるジョブ
例)目を覚ましたいためコーヒーを飲む

②感情的ジョブ
商品を利用することで「自分が◯◯と感じたい」という願望が満たされるジョブ
例)自分が大切な存在だと感じたいためスターバックスに行く

③社会的ジョブ
商品を利用することで「周りから◯◯と見られたい」という願望が満たされるジョブ
例)環境に配慮した消費行動をとっていると思われたいためスターバックスに行く

2-2. ペルソナを作成する

特定したジョブごとに具体的なペルソナを設定する。ペルソナを設定する理由としては、チームで顧客体験を設計する場合、具体的に代表的なユーザーの人物像を担当者間で共有すること。

2-3. POVで問題を整理する

ペルソナごとにPOV(Point of View)を整理する。POVとは①ユーザが置かれた状況、②ユーザ(問題を抱えている人間)プロファイル、③ユーザが抱えている問題、④問題が発生する理由・背景、⑤問題が解決された体験、の要素を明確化することで問題を定義する手法である。例えば下記のように一文で問題を定義する。①の状況に置かれた②なユーザは、③のような問題を持っている。なぜならば④という理由である。そして問題が解決された体験が⑤である。

2-4. カスタマージャーニーマップを整理する

ペルソナごとにAS-ISカスタマージャーニーマップを整理する。カスタマージャーニーマップは顧客視点での体験を一覧化したもので、顧客の行動、感情の変化、感情・思考の変化、タッチポイント、ペイン・ゲインなどで構成される。
CJM.png

3. 引用

紺野登著『ビジネスのためのデザイン思考』
廣田章光『デザイン思考』
クレイトン・M・クリステンセン著『ジョブ理論』
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