転職の契機となる前職からの離職理由について、回答した転職者の 8 割強を占める自己都合での離職者に尋ねたところ、性別、年齢層、担当職種に関わりなく、「満足のいく仕事内容ではなかったため」という回答が 3~4 割を占め、35 歳以上の年齢層では、男女を問わず、回答の比率が最も高かった。
転職の決め手となった情報は、「民間の職業紹介機関」から得られたという回答が最も多く(19.8%)、以下「ハローワーク」(13.1%)、「現在の勤務先のホームページ」(10.7%)と続く。
転職者の転職前後の勤務先における業種の異同について集計してみると、男性転職者では、30~34 歳層で異業種間転職が 4 割を超え、他の年齢層に比べてやや高くなるが、35 歳以上の年齢層では概ね同業種間転職が 65%程度、異業種間転職が 35%前後となっている。
転職前後の月収の変化について、性別・年齢層別に集計を行ったところ、男性転職者では 45 歳以降の年齢層で「20%超低下」の比率が、より若い年齢層に比べて高くなっていき、50~54 歳層では約 15%に達する。女性転職者は、年齢と分布との一貫した関係が見られず、また年齢層間の分布の違いもさほど大きくない。
これまでの職業経験で身につけた知識・スキルを、転職先で活かすことができているかを尋ねたところ、転職者全体では、26.3%が「非常に活かせている」、45.9%が「活かせている」と回答した。男性回答者はより高い年齢層ほど、「非常に活かせている」の比率が高くなるが、女性回答者ではそうした傾向が見られない。
ワーク・エンゲージメントの状況(「活力」・「熱意」・「没頭」)を尋ねる質問の回答結果を、転職者と勤続者で比べると、40 歳以上の男性では、転職者のほうが、より高いワーク・エンゲージメントを示す傾向にある。
過去 3 年の仕事に関わるスキルや能力を向上させるための取組みについては、男性の 45歳以上の層、女性の 35~39 歳層で、転職者の方が勤続者よりも実施する傾向が強かった。