アイルランド音楽についてー旋律だけの音楽ー

記事
音声・音楽
こんにちは。笛を吹いているリョウです。
先日、全く同じ内容を上げてしまったようですね。お恥ずかしい。
今回は大丈夫なはずー。

今日はアイルランド音楽を理論面というか、「曲」にフォーカスを当てて書いてみたいと思います。とはいえ、このへんは自分自身もそこまで深く掘り下げて研究している訳でもないので、ややザックリと書いてみたいと思います。

アイリッシュにコードはなかった

今でこそ、アイリッシュ・バンドが沢山存在していて、その編成にはギターやピアノ、ハープといった「和音が弾ける伴奏楽器」の担当が1人は在籍しているのが普通です。

しかし、アイリッシュの演奏ではもともとこういった楽器は使われておらず、基本的にはフィドルや笛などの「旋律を担当する楽器」のみで演奏され、ハモリなどもほとんどなく、みんなで同じ音を弾く「ユニゾン・スタイル」だったようです。

ジャズ・セッションでは奏者1人ずつにソロを回すパートがあったりするようですが、アイリッシュ・セッションではそういったものはありません。原則として常に全員で弾きます。
※セッションについては次回書きたいと思います。

アイリッシュはリズムが命

アイリッシュはコードを使用せず、旋律のみを演奏します。
ダンス・チューンでも同様ですが、ダンサーはその演奏に合わせて実際に踊るわけです。

なので、演奏のリズムというか、テンポやグルーブが不安定だと大変踊りにくいわけです。そして曲自体も踊りに適したリズムやグルーヴが生まれやすいようにするためか、長い音が使われることはほぼありません。長い音はどうしても停滞しやすく、リズムやテンポ、グルーヴを失いがちで踊りにくいのでしょう。ダンス・チューンは細かい音が譜面をびっしりと覆い尽くしています。これを速いテンポで演奏するのは大変ですが、熟練すると自然に足踏みをしたくなるような独特なノリが生まれます。

じつは、この独特なノリは、単に音が細かいからだけではなく、演奏自体に微妙なリズムの揺らぎというかハネがあるためでもあります。奏者や曲にもよりますが、スキップとかシャッフルとかスウィングとか、そういったリズムよりも本当に微妙な繊細なゆらぎです。

アイリッシュはモーダル

アイリッシュ音楽は情緒豊かな音楽だと思います。コードがなくても、旋律の音使いが見事だからだと思います、

アイリッシュ音楽はコードに頼らず旋律のみで音楽を成立させるため、メジャーやマイナーといった分類に当てはまらない楽曲が多くあります。
もし、メジャーやマイナーだけだったら、アイリッシュは退屈な音楽なっていたかもしれません。ティンホイッスルは使える音に大きな制約がありますし、どうしても似通った雰囲気になりがちです。

そんなわけで、アイルランド音楽では「モード」が重要になります。
モードより「旋法」と呼ぶほうがほうが良いかもしれませんね。
一般的なティン・ホイッスルはDメジャー・スケール(D Major Scale)を得意とします

D E F♯ G A B C♯ D

これを例えばAからスタートするとAミクソリディアン・スケール「A Mixolydian Scale」になります。

A B C♯ D E F♯ G A

開始位置を変えるだけで音階(旋法)の名前が変わるのです。
構成音は同じですが、主音やその他の音の役割が変わっているため、それぞれ異なる響き、雰囲気の曲ができます。

ちなみに、そもそも旋法(教会旋法)によれば、メジャー・スケールはイオニアン・スケール(Ionian Scale)、マイナー・スケールはエオリアン・スケール(Aeorian Scale)に置き換えられます。

アイリッシュへの伴奏付け

現在では先述の通り、伴奏楽器は当たり前の存在になっています。
セッションへの参加はかなりの高難度ですが、バンドなどではある程度は融通が聞くのでそこそこ弾ける人であれば楽しめると思います。

では実際どんなコードをつけるのか?これは実際のところ、伴奏者の自由です。もちろん自由ですが何でも良いわけではないので、じっくりとコードやリズムパターンを吟味する必要はありますが、クラシックなどのように決められたコードが存在しないため、メロディと作りたい音楽を尊重したうえであれば、概ね自由であると言えると思います。

自分がハープを弾くときは、1,4,5のトライアドを基本に、6やその他のコードを混ぜることが多いです。そのうえで、なにか違うなと思ったら3度の音を省略する方法も検討します

先述の通り、アイリッシュは旋法を使う音楽ですから、メジャーやマイナーといった概念が希薄な曲も多々あります。その場合にメジャーやマイナーを強く感じさせる3度の音はなじまないのかな、と考えています。

どうでしょう。今までで一番とりとめのない記事になった気がします。
本来無かった伴奏をつけるっていうのは難しいものです。
次回でアイルランド音楽編は終わりの予定です。
最後はセッションについてです。手短に書こうと思います。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す