アイルランド音楽についてーアイリッシュの醍醐味、セッションー

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音声・音楽
こんにちは、笛を吹いているリョウです。
今日でアイルランド音楽編については最後にしようと思います。
また、これまでブログの更新を毎週行っていましたが、今後はペースを落として、不定期にのんびり更新していこうと思います。

さて、アイルランド音楽編の最後は「セッション」です。
アイリッシュ音楽を極めた人たちはバンドよりもセッションに行きつくのではないかと思います。実際、バンドとは違って多くの演奏家と出会えるため、演奏面やそれ以外でも学びの多い場所です。ただし、そこで一緒に演奏できるかは、セッションの方針と個人の技量次第です。

どんなジャンルでも、セッションにはそれなりのルールがあります。
自分自身も確認のため、ザックリと書いてみようと思います。
※自分はセッションが苦手…。曲をパッと出すことができないのです。
あと、曲を沢山覚えられないというのもあります。

大体はアイリッシュ・パブで行われる


まだまだ数は少ないと思いますが、アイリッシュ・パブというのが日本にも存在します。中の雰囲気は…某ブリティッシュ・パブ・チェーンの雰囲気に似ている…のではないでしょうか(こんな事書いて怒られないか心配です)。オーナー、店主を始め、店員がアイルランドをはじめとする外国人であることが多く、お客さんも同様です。

日本人もいらっしゃいますし、メニューも注文も日本語OKであることがほとんどです。その辺りはは安心して大丈夫です(それでも英語が話せてコミュニケーション能力が高いほうがもっと楽しめるんだろうなぁ…とは思います)。

場所によってはステージが用意されてることもありますが、セッションは通常、座席の一角に奏者が集まって自由に演奏します。奏者自身もお酒や食事を楽しみながら演奏も楽しむのです。

そんなわけで、基本は夜に開催されます。平日の夜だったり週末の夜だったり、そのへんはセッションごとに異なります。時間がきっちりとしているところもあれば、終電も終えた深夜まで続くセッションもあります。

パブ以外で開催されるセッションもあります。
音楽スタジオなどの演奏ができる屋内、もしくは広い公園などの屋外に、週末のお昼時に集まってセッションをするのです。こちらは初心者向けセッションと銘打っていることが多い印象です。

大体はホストが先導する


セッションには大抵リーダー的な役割をする人がいらっしゃるものです。
その人がセッション全体に気を配ったりしてくれています。
セッションの進行を取り仕切ったり、選曲もしたりするので、かなり熟練の奏者さんであることが条件です。

セッションによっては特別にホストを定めずに自由に演奏する場所もありますが、珍しい方だと思いますし、そういう場は参加者の殆どがかなりの熟練者だったりします。みんなで協力してセッションを盛り上げることができる、というわけです。

曲の始め方


選曲した人が弾き始めると、それ以外の人はまずその演奏を聞きます
アイリッシュは短い曲を2〜3周繰り返して演奏した後、次の曲に移って…というメドレー形式のような演奏を行うのが特徴ですが、その最初の方は「その曲が何であるか」と、「どのように演奏するのか」を確認するために、まず演奏を聞くところから始まります。周りの奏者は各々演奏に参加できると判断したところから自由に弾き始めます。


曲のつなげ方

同じ曲を何度か繰り返したら次の曲に移ります。
回数が決まっているところもあれば、選曲者のタイミングで切り替えるところもあります。声や目配せなどで何かしらの合図をするのが一般的ですが、そのへんはセッションや奏者に委ねられます。曲が切り替わったら、また聞くところから始めます。

ちなみに、つなげる曲自体にも一応のルールがあります。
同じリズムであること。同じキーであることなどです。そうでないと、同じ旋律楽器の奏者さんはもちろん、リズムやコードを担当している伴奏者が大変だからですね。

特にリズムを変えて曲をつなげるようケースはほとんど無いように感じます。(ダンスの伴奏であることを考えると当然かもしれません)。そういったつなぎがあるとすれば、そのセッション内で定番化した珍しい組み合わせ7日もしれません。

なお、キーが変わるのは許容される傾向にありますが、その場合は伴奏者に次の曲のキーを伝えたほうが良いでしょう。
実際、奏者さんが「G!」とか「D!」とか叫んで伝える場面を見たことがあります。

ちなみに、一部のセッションでは、つなげる曲や回数などを先に一通り確認することが多いです。この場合は全員が曲の変わり目も弾き続けることが多いです。


基本的にユニゾンで演奏する


アイリッシュ・セッションではユニゾンが基本です。時々ハモリやちょっとしたオブリガードなどのアレンジを加えることもありますが、それらのアドリブは控えめに行うのが一般的です。また、もとのメロディを大幅に変えてのアドリブは原則行われません。あくまで「ユニゾンを楽しむのが基本」だと考えたほうが良さそうです。

周りとの協調性、そして良い意味で「空気を読む」ことを大切にするとよいのかなと思います。



さて、どうでしょう。アイリッシュ演奏家の多くはこのようにセッションで演奏とお酒を楽しむわけです。
実際にセッションに参加するには曲を覚え、しっかりと演奏できるように練習を積む必要があるため、なかなかハードルが高い印象です。
熟練者は演奏をしながらも次に出す曲のことを考えたり、周りのアドリブに応えるなど、本当に名人芸のようなことを行っています。自分自身はこの域まで達することは難しいなぁと感じています。

最初は聴衆として演奏を楽しむためにアイリッシュ・パブに足を運んでみるのもよいのではないでしょうか。そして、自分も楽器弾きたい!と思うようになったら、根気強く頑張ればセッションに参加できるようになるかもしれません。

それでは、アイルランド音楽編はこの辺りで終わりたいと思います。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
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