自分で創る自分の車 No.28

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エンジンオイル

■エンジンオイルについて

車を所有している人が行うメンテナンスの中で、最も一般的なもののひとつがオイル交換です。
エンジン内の古く汚れたオイルを新しいオイルに交換することで、エンジンの性能を向上させ、きれいな状態を保つことができます。
でも、オイルが汚れる原因ってなんだろうと考えたことはありませんか?
実は見た目の汚さとは裏腹に、思ったほど汚れていないかもしれませんよ?


■なぜエンジンオイルが汚れるのか

●キャビテーション(気泡)

オイル中に空気などの気体が6~12%含まれている事などによることが原因です。
オイルの流速が早くなると、その結果、圧力が低下する部分が生じます。
その為、オイル中にキャビテーション(気泡)が発生するのです。

発生した微細な気泡がオイルポンプなど油圧の高いところで急に消滅する時、局部的に数百気圧もの高圧になります。
瞬間的に加圧される事で温度が急激に上昇し、気泡周辺のオイルが燃焼、オイルの対応温度を超えるので燃焼カスが発生します。
この燃えカスが黒く変色する原因です。
例)35℃の気泡を 3.5MPa に加圧すると計算上 580℃にも到達。


●油温

エンジンオイルを使用する温度は、オイル交換の間隔・頻度に大きな影響を及ぼします。
油温が105℃を超えて7℃上昇するごとに、オイルの寿命は50%ほど短くなります。
オイルが115度を超えるとワニス(ネバネバ)の形成が始まります。
そして、127度を超えるとゴムシールの硬化が進行します。
さらに、160度を超えると、クランクメタルで必要になる油膜が保持できなくなり、ダメージが大きくなることが理解できるはずです。

つまり、オイルの温度が非常に高い車は、オイルの温度が適切な状態の車よりもオイルの性能と寿命がはるかに短くなります。

興味深いことに、同じことが低温にも当てはまります。
意外かもしれませんが、油温が低い(82℃未満)と、オイルの寿命が短くなる可能性があります。

実際、オイルの温度が約50℃と低い場合、オイルの温度が約130℃の場合よりもエンジンに大きなリスクをもたらします。
その理由は、オイルの温度が低いと走行中にオイルに含まれる空気中の水分を蒸発させる事ができず、エンジン内に多くの水分や燃料の希釈が蓄積され、オイルの寿命に悪影響を及ぼすためです。

一般的にエンジンオイルは熱くなるにつれて油膜が薄くなりますが、熱によって粘度が下がりすぎない限り、エンジンオイルは150度を超えても保護できます。
本当の問題は、超高温状態でオイルがエンジンをどれだけ長く保護できるかということです。
オイルの温度を105度辺りの範囲に保つことで、オイルだけでなく、エンジン部品の寿命を延ばすことができます。
そして、オイルがエンジンの冷却の約40%を行うことを忘れないでください。


●水分

水分はどのようにしてエンジンオイルに混入するのでしょうか?
先の内容と一部重複しますが、オイルの中に水分が入る方法はいくつかあります。

エンジン停止中のエンジンに空気の出入りで生じる水分(冷たい空気が高温のエンジンに入り、水が凝縮する)や、燃焼時の副産物から生じる水分など。

特に短距離・短時間しか走行しない車(お買い物車)によく見られる状態で、オイルに含まれる水分や、他方からオイルに水分が混入し最悪はエンジンにダメージを与えます。
しかし、走行中に水分を蒸発させるほど油温が上がった状態で車を運転していれば、心配する必要はありません。

そして、ガスケットの不良やエンジンの亀裂などによるクーラントの漏れです。
この破壊的なルートにより発生する量の水分は一般的に、パワーの低下やオイルスラッジなど、エンジンに深刻な問題を引き起こします。


●古いオイルフィルター

オイルフィルターは、エンジンオイルがエンジン内を循環する際に付着する汚染物質を取り除く役割を担っています。

きれいな状態であれば、フィルターはオイルをキレイに保ち、ほとんどの汚染物質をろ過してくれます。

フィルターが古くなればなるほど、汚れがひどくなり、最終的には使い物にならなくなってしまいます。
そうなると、フィルターがオイルから汚染物質を回収できなくなり、エンジンオイルに影響が出てきます。


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