ワイ「今日は髪を切りに行きます。」
助手「そう言えば去年ってめっちゃ伸ばしてたよね。」
ワイ「あそこまで伸ばしたのは人生初でしたね。」
助手「なんで伸ばしてたの。」
ワイ「そんな気分だったので。」
助手「じゃあ、なんで切ったの?」
ワイ「会社から切れと言われたので。」
助手「ポリシー無し?」
ワイ「その時の気分次第ですよ。髪に未練はありません。」
助手「じゃあハゲても大丈夫ね。」
ワイ「毛根死滅だけは避けたい。」
助手「未練タラタラだね。」
ワイ「なので美容院に行ってきます。」
助手「1000円カットだと思った。」
ワイ「私はもう10年以上美容院に通ってますよ。」
助手「この世で美から最も遠い存在なのに。」
ワイ「歳を経るほど身なりには気をつかいます。若さでカバーできる時代はとうに過ぎ去りましたからね。」
助手「誰も見向きもしないよ。」
ワイ「おそらく私のことが気になる女子は一定数存在していると思われます。」
助手「髪も薄けりゃ根拠も薄いね。」
ワイ「美容院は安心感が違います。」
助手「お店によるんじゃない?」
ワイ「そうですね。今の美容院が3つ目です。一番長く通ってますね。」
助手「そうなんだ。」
ワイ「最初のお店は初めは良かったんですが、通うにつれ手抜き感が出てきました。」
助手「アナタ程度だから手抜きでいいと思ったんじゃない?」
ワイ「2つ目のお店は1回しか行きませんでした。」
助手「なんで?」
ワイ「自分のことばかり喋ってたんで鬱陶しくなっちゃいました。」
助手「アナタはそういうタイプ嫌いだよね。」
ワイ「好き嫌いというより『客の目線』になってないのを感じてしまう。」
助手「お客さんあっての商売だしね。」
ワイ「指摘するのも面倒くさいのでそれっきりです。」
助手「今のお店は気に入ってるの?」
ワイ「とても良いですよ。接客も適度な距離感ですし、技術力・柔軟性がとても高いです。」
助手「そういうお店いいよね。」
ワイ「安心してお任せできる。この信頼は丁寧で真摯な姿勢を通じて作られる。」
助手「誰目線?」
ワイ「なのでクチコミでも良い部分をしっかり書き込みしてますよ。」
助手「クチコミって大切だもんね。」
ワイ「自分に合う店を見つけるためにはクチコミは参考になりますが、それだけでも不足です。」
助手「例えばどういう視点が必要なのよ。」
ワイ「まずクチコミの内容をしっかり見ます。自分が得たい価値を提供できているかが大切です。
助手「高評価だけじゃなく自分の求めてることが実現できるかを見るのね。」
ワイ「次は実際試してみてフィーリングを確かめることも大切ですね。」
助手「意外とちゃんと見てるのね。」
ワイ「あとは希望通りに出来上がるかはもちろんですが、人によって髪質にさがあります。それに合わせたアレンジ力を持っているかもポイントです。」
助手「工夫ができる知識と技術が要るね。」
ワイ「カリスマ美容師って自分の技術に酔いますが、目立たなくても丁寧な仕事をする美容師こそ信頼に値します。」
助手「いいこと言うね。」
ワイ「自分の生き様と重ね合わせてしまうからでしょうか。」
助手「他人褒めてると見せかけて自画自賛だった。」
ワイ「良いお店を見つけるにはリサーチ力と正しい判断力が求められます。」
助手「面倒臭い話になってきた。」
ワイ「良いお店を見つけたいなら相応の努力は必要ってことですよ。」
助手「確かにお店選びって大切よね。」
ワイ「正しい視点で評価できれば素敵な店との出会いがあります。」
助手「なるほどね。」
ワイ「今日も私をワンランク上げてくれる仕上がりを期待しています。」
助手「もともとがランク外だけど。」
ワイ「なので私にも素敵な女子との出会いがあるでしょう。」
助手「それは神(髪)のみぞ知るってとこね。」