ご覧いただき、ありがとうございます。
精神保健福祉士『一教』と申します。
精神科の医療機関で働いております。
③悩み、困りごとを伝える
vol.2では、相談員につないでもらうことについてお伝えいたしました。
相談員につないでもらったら、いよいよご自身の悩みや困りごとを伝えます。
でもちょっとその前に。
記事を読んでくださっている方はお分かりかと思いますが、このプロセスはあくまで精神科医の診察を受けることを前提としています。
つまり、相談員との電話でのやりとりで解決を図るものでない、ということです。
患者様が「どうすればいいですか?」「何とかしてください」とおっしゃっても、「それは診察時に医師と直接ご相談ください」と返されます。
ここで行うことは、次の2つです。
・悩みや困りごとを伝えること
・診察予約を入れること
悩みや困りごとを、5W1H(what when who where why how)に沿って、ストーリー仕立てにする必要はありません。
情報をまとめるのは相談員の仕事です。
◆どんな症状があるのか
◆悩みごと、困りごとは何か
この点をお話ください。
主な症状や悩みごとのことを「主訴」と言います。
まずは主訴を明らかにすること。
ここから相談が始まります。
外来で薬をもらった方がいいのか、いったん入院も考えるのがいいのか、主訴にどう対処すべきか、などの方向性は、医師と診察で相談することであり、電話相談の段階で決める必要はありません。
もちろん、ケースバイケースで、ある方向性の下に相談を進めた方が良い場合もあります。
そこは、お話を伺いながら、相談員が判断していきます。
主訴を明らかにし、状況を確認して、次の展開につなげていく。ここに、相談員としての知識や技術、経験が現れます。
vol.2で触れた、お悩み相談では解決しないというのも、ここがその根拠となります。
何気ない会話の中にも、悩みや困りごとの種が潜んでいることがあります。
相談員は、そういう種を見逃さず、かつそこから話を展開させていく、ということをやっています。
この技術は、いわゆる「話術」とは異なると私は思っています。
なぜなら、相談場面以外では、私は話下手でコミュニケーションが苦手なんです。他人の人生に立ち入った話、込み入った相談を生業としていながら、決してお話上手ではない。
こういう人、けっこう多いんじゃないかと思います。
※私の相談技術が高い、と言っているのではありません。話下手ではありますが、根拠に基づいたノウハウを知っているからやれているだけのことです。
精神保健福祉士は、免許の更新がありませんが、生涯自己研鑽、なのです。
主訴を伝えたら、初診の予約を入れます。
ほとんどの医療機関は(初診の場合は特に)予約制だと思います。
初診は時間がかかりますから。
なぜ時間がかかるかは、vol.4でお伝えさせていただきます。
・初診は時間がかかること
・「予診」と「診察」があること
この2点をふまえて、初診予約を入れましょう。
お読みいただき、ありがとうございました。