メンタル不調を来したら vol.1

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ご覧いただき、ありがとうございます。
精神保健福祉士『一教』と申します。

精神科の医療機関で働いております。

こころの不調や、それに起因する身体の不調をきたし、精神科(心療内科やメンタルヘルス科など、名称はいろいろありますが、精神科医の診察を受けることを前提としますので、診療科は精神科とさせていただきます。)にかかろうか思った時点から、診療受付をするまでのプロセスについて、私なりの解釈を交えながらお伝えしたいと思います。

※1つの記事にまとめようと思ったのですが、書きながらどんどんボリュームアップしてしまったので、いくつかに分けて投稿させていただきます。

①受診先の選定

一口に精神科と言っても、病院だったり、クリニックだったり、最近では訪問診療もあったりと、形態はさまざまです。

ご自身の悩み、困りごとに対し、どこに相談すべきでしょうか?

私の回答は、「webで検索して、自分で受診相談する」です。

行政(障害支援課など。名称は各自治体により異なると思います)や保健福祉センターのような公的な相談窓口しても、同じような対応をされます。

なんか、文字にすると冷たい印象さえ感じますね…。
もちろん、「相談のしかた」や、そのほか受診相談に関することは後ほど解説いたします。

web検索したら、症状やエリアをもとに検索し、ここに相談してみようかな、という病院をいくつかピックアップします。

では、なぜ自分(または家族)が相談しなければならないのか。
その答えは、「取りようによっては『紹介された』となるから」です。

せっかくweb検索して電話しても、困りごとがそこでの治療にそぐわない場合、こんなやりとりが生じます。
(病 院)「その症状では、当院で治療するのは難しいので、他の医療機関に相談されるのがいいと思います。」
(患者様)「えっ?じゃあどこに行けばいいんですか?どこがいいか分からないので、教えてもらえませんか?」
(病 院)「当院から『ここに・・・』とお伝えすることはできません。web検索して、あくまで一般的な情報であれば一覧をお渡しいたしますが、そこからはご自身で動いていただくになります。」
(患者様)「はっ?自分の症状に合った病院を紹介してもらうこともできないんですか?」
(病 院)「申し訳ありません。患者様ご自身に、相談の連絡をしていただいております。」
このやりとりは、この先は堂々巡りに陥ります。

ホント、冷たいし不親切ですね。
でも、病院としては「ではここに行ってください」や「ここに相談してみて下さい」とは言えないんです。

病院同士、医師同士が、診療情報提供書という“紹介状”を介して患者様を紹介し、治療することはあります。
紹介状を作成することは、きちんと状態の申し送りをして、治療が継続して行われるようにする責任が伴うことでもあるのです。

受診相談の段階で「こういう所もありますよ」なんてことを言って、仮に紹介された先の病院が合わなかったり、何かしらのトラブルが発生してしまった場合、誰も責任を取ることができません。

もっと辛いのは、受診するには予約が必要なのにそういった情報は与えてもらえず、行ったら門前払いをされてしまった、という場合です。
病院側は紹介した意図はなくとも、患者様にしてみたら「紹介されたから行ったのに(怒)!!」となってしまいます。

当然ですよね。

患者様は辛くて辛くて、困って困った末に行くのですから。
これは、双方にとってデメリットでしかありませんし、とても無責任な対応と言わざるを得ません。

・・・ひどい話ですが、実際に起こっていることでもあるのです。
ですので、これからお伝えする「相談のしかた」が大切になるのです。



vol.2に続きます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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