自己肯定感

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ネガティヴな感情を「ありのまま受け入れる」ことで、自分自身を守ることができると、前回お話ししましたが、今回はその延長線上です。実は、「ありのままの自分をこれでよい」と思える人は、「自己肯定感の高い人」だと言えます。

「ありのままの自分をこれでよい」と思うことによって、自己肯定感が高まります。例えば、入社してまだ間もない新入社員Aさん。慣れない環境でとまどい、なかなか思うように仕事も覚えられません。そのためミスをして、先輩に怒られてしまいました。

こうしたとき、自己肯定感の高い人はそのありのままの状態を「いまはこれでいい、仕方がない」と受け入れて、改善策にエネルギーを向けることができます

ところが、自己肯定感の低い人になると、
「私は覚えの悪いダメな人間だ」
「先輩に迷惑をかけてしまって本当に申し訳ない」
などと過剰に自分を責めたり自己嫌悪に陥ったりします。  

さて、この例え話の続きで、ミスをした新入社員Aさんに対して、先輩は気が強い人で、それ以降すごく厳しい指導をするようになりました。

「何度言ったらわかるの?」
「わからなかったらきちんと確認してからやってください!」
「私の言う通りにやってくれないと困ります!」

と、先輩はほぼ毎日のように、新入社員に対して厳しく指導をするのですが、実はこの先輩も「自己肯定感が低い」人です。なぜならこの先輩は自分の価値観・考え方・仕事の進め方が「正しい」と思っていて、それを新入社員のAさんに押し付けているからです。つまり、後輩がなかなか仕事を覚えないという現状をありのまま受け入れることができていないのです。

また、この先輩はもしかしたら過去に「ミス」に対しての心の傷を持っているかもしれません。そのため、Aさんのしたミスに対して過剰に反応してしまうのです。

さらには、自己肯定感が低いがために、「新入社員だからミスするのも仕方がないな。きっと本人なりの何か事情があったんだろうな。」と、相手の事情を考える余裕もないのです。


新入社員のAさんは、何とか期待に応えようと一生懸命頑張りました。正直ちょっと精神的に疲れ始めていたのですが、プライベートの時間も割いて、そして休みの日もずーっと仕事のことばかり考えていました。実は自己肯定感が低いと、無理をしていてもやめられず、頑張りすぎてしまいがちです。

Aさんは、常に先輩の顔色をうかがい、先輩の言葉に忠実に従いました。先輩にどんなに振り回されても、自己肯定感の低いAさんは「自分はこうしたい」と言うことができませんでした。

そんなある日、Aさんの同期であるBさんが、先輩に対して「もう少し優しく指導してもいいんじゃないですか?」と異を唱えました。でも、先輩は聞き入れてくれませんでした。それどころか、

「後輩のくせに生意気ね!ほんと信じられない!」
「後輩なんだから素直に先輩の言うとおりに従うべきなのよ。」
「あの子たちはほんと気が利かないのよね。とにかくそういうのは嫌!」

などと、一方的に評価し、決めつけて自らの正当性を主張したのです。ただ、自己肯定感の低い先輩は、その怒りや不満をこのようにして自分の中にため込んでいるので、ますます自己肯定感は下がります

Aさんは、自分をかばってくれたBさんにとても感謝しました。
「こんな私のようなダメな同期をかばってくれて、本当にありがとう。」
「でも、結果的にあなたにも迷惑かけてしまってごめんね。」
Aさんは自己肯定感が低いので、Bさんに対して過剰なくらいに感謝し、過剰なくらいに謝りました

いかがでしょうか?自己肯定感の低い同士のAさんと先輩、今後がとても心配ですね。それに対して同期のBさんは、自己肯定感の高い人のように思われます。自己肯定感が高まると、「生きづらさ」から解放されます。そして、他人もリスペクトできるので、優しく勇気ある行動が自然とできるのです。

自己肯定感については、これで終わらずに、後日もっと掘り下げてお話しします。

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