引渡後に発覚したオーナーチェンジ物件のトラブル

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こんばんは。
長岡です。

先日、同業他社の知人からこのようなお話を聞きました。

■売主→知人が勤める不動産業者A

■仲介業者→大手の不動産業者B

■買主→個人投資家Cさん

■対象物件→分譲マンション1室のオーナーチェンジ物件(賃貸中)

上記売買が行われ、引渡しも終わりました。

しかし・・・

物件の引渡時点で賃借人が賃料2ヶ月分を滞納しており、

まもなく滞納が3ヶ月分になるとのこと・・・。

そして、保証会社が訴訟の準備をしているとのこと・・・。

この事実が引渡後に発覚したため、Cさんは大層ご立腹(怒)。

保証会社は、賃借人が退去するまでの未納賃料を負担してくれますが、

物件を取得したばかりにもかかわらず、

Cさんには退去後の原状回復や新たな入居付けのための予期せぬ費用が発生してしまいます。

さて、なぜ、引渡後に発覚するという事態になってしまったのでしょうか。

オーナーチェンジ物件の売買において、このようなトラブルが起きてしまう原因は、大きく2つです。

①売買担当者が賃貸の実務に精通していない場合が多い。

②賃貸管理会社担当者が売買の実務に精通してない場合が多い。

この2点により、売買担当者が賃貸管理会社にヒアリングしたとしても、

それぞれの担当者間で確認不足と共有不足が生じてしまいます。

そのため、事前に買主さんにお伝えすべき点が伝わっておらず、

売買契約書や重要事項説明書にも記載されず、後から発覚してトラブルになってしまうのです。

「買主は、所有権移転と同時に売主の賃貸人としての地位及び権利義務を承継するものとする。」

と、売買契約書に記載されているだけでは不十分なのです。

今回の件でCさんは完全なる被害者ですが、もし、Cさんが仲介業者Bに全てをお任せするのではなく、

契約実務に詳しい人に事前に売買契約書と重要事項説明書を確認してもらっていたら、

賃料滞納の事実を変えることはできませんが、売買契約締結から新たな入居付けまでの展開は変わってきたと思います。

長くなりましたが、オーナーチェンジ物件の売買におけるトラブルの一例でございました。

不動産契約に関することは、お気軽にご相談ください。

読んでいただき、ありがとうございました。
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