1.パソコンのモニターを見ながら話を聞く上司
20年前まで、私は民間企業で法人営業をしていた事は、これまで何度かご紹介しています。
会社を辞める前、当時の上司は仕事ができる有能な方でした。
「一を聞いて十を知る」という言葉があります。
物事の一部を聞いただけで全部を理解できる、非常に賢くて理解が早いことのたとえです。
まさにそのような人でした。
理論的で、あまり感情を表に出さないタイプです。
ちょっと何を考えているのかわからない、そんなところもありました。
この方は、一を聞いて十を知るタイプであり、部下の報告もいつもパソコンで作業をしながら聞いていました。
「ああ、耳はちゃんと話を聞いているから」
そして、話を半分くらい聞くと、
「じゃあ、○○○して」
「それなら□□□すればいい」
「△△△はやってみた? まだならそれをしてから、もう一度報告して」
と、指示を出します。
2.応募書類の作成依頼だけど・・・
ここで、話は変わりますが・・・
私は応募書類の作成にあたり、お一人様ずつビデオチャットでヒアリングをして、仕事の詳細や退職理由をうかがいます。
ある40代の男性から、応募書類作成の依頼を頂き、いつものようにヒアリングをします。
私はあまり質問をせずに、自由に話してもらいます。
・その会社を選んだ理由
・仕事や職場の様子
・担当業務の詳しい内容
・退職した(しようと思っている)理由やきっかけ
時には、仕事の不満や、職場のグチになる場合もあります。
書類作成にはあまり関係無いかもしれませんが、依頼人(購入者)の状況や気持ちを知るうえで参考になる場合もあるので、不満やグチにも耳を傾けます。
ビデオチャットの最後に、その男性はこんな感想をお話しくださいました。
「今日は本当に話を聞いてもらって良かったです」
「こんな話をするなんて、考えてもいませんでした」
「自分の本当の気持ちに気付くことができました」
「色々お話しを聞いてくださり、ありがとうございました。」
3.20年前の記憶
その男性の感想を聞いて、私は20年前の記憶が蘇りました。
当時の私は「本当はきちんと話を聞いてもらいたかった」と強く思っていました。
すぐに指示をするのではなく、ただ話を全部聞いて欲しかった。
おそらく、人は誰でも話を聞いてもらいたいという欲求を持っていると思います。
心理学では、それを承認欲求といいます。
喜びや悲しみ、怒りや不安など、様々な感情を、誰かと共有したいという気持ちがある。
しかし、みんな忙しくて、自分のことで精一杯なんですね。
だから、自分の話をじっくりと聞いてくれる人がいないという現状があります。
4.90分の使い方
ビデオチャットは90分間になります。
この時間は、購入してくださった、お客様の時間です。
だから自由に語って頂きます。
応募書類が目的ですから、そこからあまり脱線してしまう場合は修正しますが、基本は相手任せ。
そのため90分では足りず、一番長い場合、180分、3時間ということもありました。
自分で話すことによって、自分の感情に気付いたり、考えを整理できるというメリットがあります。
また、まったく評価や判断をされることなく本心を話すことにより、自分を認めてもらえたと感じるため、自己肯定感も高まります。
あなたも気軽に話してみませんか。