<要約>
・仕事は契約関係と責任で成り立っているため、ストレスを感じやすい
・ハラスメント被害に遭遇したら、被害者は自分を責めてはいけない
・仕事上のライフイベントは「変化」と共に現れる。誰もが経験するから、と軽く扱わない
・ストレス対策の原点は「セルフケア」と「自分を知る」こと
A1:厚生労働省の統計では、
1位:業務量(多すぎる)
2位:仕事上のミス、失敗、責任
3位:人間関係(ハラスメント含む)となっています。
いずれも、
当事者が一人で解決できる問題ではありませんね。
一緒に対策を講じたり、相談に乗ってくれる相手がいる環境かどうか、が重要になってくるでしょう。
A2:1日単位のストレスや疲労は、自分の経験やスキルでやり過ごしたり解消することが出来るかもしれません。
しかし、借金同様、ストレスも返済できなければ雪だるま式に膨れ上がっていきます。
その日のストレス・疲労をその日のうちに解消出来ないことが、「溜まっていく」始まりです。
A3:自分が何をストレスに感じるか、を知ることが第一だと思います。
デスクワークが得意な人が終日接客していれば、接客が好きな人より精神的な負荷は大きいです。苦手なことをしている、という以外に、得意なことをさせてもらえない、というのもモチベーションが下がる理由になります。
ノーストレスな生活を目指すのはあまり現実的とは思えません。
自分が何をするのがストレスなのが、逆に
何が得意で活かしたいと思っているか、を
分析してみましょう。
A4:まず睡眠に表れやすいです。眠れなくなる、または日中眠くなったり集中力が途切れがちになることが増えていきます。
食欲も落ちて、
言葉数が減り、
表情の変化も乏しくなります。
またはちょっとしたことで
キレやすくなったりします。他人ばかり責めたり、逆に全部自分のせいだと言い張ることもあります。
「普段とは違う」様子が2週間以上続いているようなら危険信号です。
A5:HSPとはまだ病名ではありません。周囲からの刺激に対して通常以上に大きく反応する人のことです。ちょっとしたミスで数日落ち込んで会社に行けなくなったり、小さなラッキーで興奮して大喜びしたりなどですね。
HSPかどうか、というよりも、
誰とも関わりたくない、という状態のほうが問題です。対象が不特定で、ある程度の期間続いているように感じます。
関わりたくない時に何を考えているのか、どうしたいと思っているか、どんな環境なら関わる気になれるか、などを、
専門家と一緒に考えてみることをおすすめします。
A6:キャパオーバーとは何を「超過」しているのか、によって対策が変わります。
作業時間が足らないのか、人数が足らないのか、スキル的に無理なのか。
それを
把握したうえで、
仕事を指示してきた人(多くは上司だと思います)に相談しましょう。
仕事を指示してきた人(上司)が話を聞いてくれないタイプなら、そのまた上でもいいと思います。
聞いてくれるひとを探しましょう。A7:ストレスチェックの個人ごとの詳細結果は、本人にしか知らされません。
ただし過重労働などで高ストレス状態と判断された人は、医師・看護師などのストレスチェック実施者(上司などの業務指示関係にある人は含まれません)から、医師の面談を受けることを勧められます。
ですので、要面談として連絡が来た場合は、
可能な限り応じましょう。うつ病や脳血管疾患などの重大な病気に繋がる前に対策を立てることが出来ます。
A8:労働安全衛生法という法律によって、健康診断の年1回以上の実施は義務付けられていますが、中小企業も含めると実際には2割程度が未実施のようです。健康診断ですら実施されていないことを考えると、メンタルヘルス対策は更に後回しにされていることが想像出来ます。
とはいえ、国のメンタルヘルス指針をそのまま中小企業が実施するにはコストがかかり過ぎます。やり方が分からない、経費が掛かる、必要性を感じない、等理由は様々なようです。
質問内容とはそれますが、
中小企業でも取り組みやすいのは
「メンター制度」だと思います。
メンターとは、上司などではなくもっと年齢的に近い先輩が話を聞いてくれる、人材育成方法の一つです。