途中の枝分かれもありますが、大まかに7段階で専門家へのSOS(受診・相談)へ到達すると考えられます。
①変化発生…環境、自分自身、周囲の状況など
②ストレス反応…<①>に対して何かを感じる(プラス面、マイナス面どちらもあり得ます)
→
適応⇒〇(変化に対応できた、ということで、一つのゴールです)
③違和感…自分の物の見方、生活リズム、感情が普段と違うような気がしてきます
↓長期化
④メンタル面の変化…イライラ、気が散る、スムーズさが無くなる
⑤身体面・行動面の変化…食欲・睡眠欲・性欲に変化が現れます。行動上も、出来ないことが増えたり、今までしなかったような行動の回数が増えたりします(喫煙、飲酒、セックスなど)
→
SOSの発信(友人、知人、家族、同僚へ)
⇒〇(この時点でのSOSは内容が具体的なので問題解決に結びつきやすいです)
↓耐える
⑥
限界を迎える⇒倒れる
⑦
相談…病院受診、カウンセリング利用
当たり前のことですが、自分の変化に気づきやすいのは自分自身です。
しかし結構これが難しい(笑)
自分の中だけで考えていると、
「気のせいかな」とスルーすることがほとんどだからです。
そして本当に気のせいだったり、たまたまだったりします。
その実体験が、スルーしてはいけなかった変化までスルーすることにつながってしまいます。
すぐに対応する必要はなくても、
「なんか違う」という変化を心にメモしておくことが重要です。
上述したように、変化の全てがSOSへつながるわけではありません。
大きく分けて二通りあると思います。
①気づいたり対応したりする必要がない変化
②既に麻痺していて気づくことが「出来なく」なっている状態お分かりのように
②が問題です。
心身が既に健康な状態ではない、または子どもの頃からの体験が積み重なって、「この程度いつものことだ」と取り合わない。
いつものことをいつもの方法で対処できるのは一つのスキルでもありますが、その
「いつもの方法」が何なのか、によって、その後の影響が変わってきます。
趣味は何ですか?と聞かれると、大人は意外と困ってしまいます。
仕事に家事に育児に、一日中走り回っていると趣味を楽しむことを忘れてしまいます。
子どもの頃好きだった趣味が、成長と共に楽しくなくなることも十分あり得ます。
しかし、
大人こそ趣味を持つメリットは大きいです。
①ストレス対処法(コーピング)であり、ストレス解消方法であり、思考の転換につながる大人の日常はストレスフルです。仕事も家事も育児も近所づきあいも通勤も、何もかもにストレス源を見出すことが出来ます。
1日は24時間しかありませんので、7時間睡眠+通勤2時間(往復)+食事3回(1.5時間)+仕事(8~10時間)と考えると、これだけで残りは3.5時間しかありません。顔洗ったり着替えたりお風呂入ったり、を考えると、趣味に使う時間などどこにもありません。仕事以外に家事もしていればむしろマイナスです(恐らく睡眠時間が減るのでしょう)。
寝ればとりあえず体の回復は可能ですが、頭と心、特に心に溜まっていくtempファイルのようなゴミは、中々消えることはありません。
この心のゴミを焼却してくれるのが「趣味」なのです。
②好きなことが楽しくない⇒メンタル危機では日常的に趣味を楽しむ習慣がある場合。
ふと、おかしいな、と思うことがあります。
今までだったらワクワクしたはずの趣味の集まりや予定が、急に億劫になります。
好きな音楽を聴いているはずなのに、気が付けば仕事の嫌な記憶がよみがえって音が聞こえない。
好物を食べにレストランまで来ているのに食が進まない。
明らかな
異変です。
自分のことは自分が一番よく分かっている、と思い込み過ぎるのもリスクです。
今までたくさん経験してきたことは、振り返った時、イヤなことばかりでしょうか。またはイヤなことは思い出さず、今思えば楽しいことばかりでしょうか。
記憶は風化します。そしてその後の
経験によって変化します。
変化して肯定的に受け止めることが出来るのはいいことなのですが、過去にイヤなことを経験した時、
自分がどう感じて、どう対処して、それによってどうやって受け入れたか/否認したか、が有耶無耶になってしまいます。
実はそうした
細かいプロセスこそが、これから自分が向き合うことになる
危機への大事なカギなのです。
何(人・環境・状況・言葉など)に対して自分はストレスと感じたのか、感じた感情はどんな種類のものか、それを乗り越えようとしたのか、回避したのか、その後自分はどうなったのか、は、それこそ自分にしか分からないストレス対処のプロセスなのです。