自分を愛するということ

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コラム
自分を大切にし、自分を愛する、ということは、厳しい社会を生きていく上で必須のスキルです。
それなのに何故か誰もその重要さと方法を教えてくれません

「自分に厳しく」は、小さい頃から親や先生から教えられます。自分を律することが尊重される文化なので当然かもしれません。
だからなのか、その対極にあるように見える「自分を愛する」という考え方には、あまり良いイメージがありません

自分を愛する、とはどういうことでしょうか。
それは、「ありのままの自分に“OK”と言う」ことではないでしょうか。

1.「自己愛」とは?

字の意味そのままで解釈すれば、「自己への愛」「自己を愛する」という意味ですね。
転じて、自分をいたわる、大事にする、優しくする、尊重する、という意味なのでは、と思っているのですが、やはり一般的には「自己愛性パーソナリティ障害」からくるイメージが強いようです。

では、「自己愛性パーソナリティ障害」とは。
自己の重大性を過度に大きく捉え、成功、才気、美しさに囚われており、過剰な称賛を求めたり、他者に嫉妬したりすることを特徴とするパーソナリティ障害である。
共感性に乏しく、時には他者を不当に利用することもある。
当人が悩むというよりも、むしろ対人関係の中でトラブルを生じやすいことが知られている。
(「心理学辞典 新版」誠信書房より抜粋)
なので、全く違います。
やはり私の解釈としては「自分をいたわる、大事にする、優しくする、尊重する」としたいと思います。


2.「自己憐憫」とは

自己愛とよく似た言葉に「自己憐憫」があります。
こちらは「自分を可哀想だと思う」ことと言えるでしょう。

苦しんだり傷ついたりしている時に、自分を可哀想だと思うこと自体は悪いことではないかもしれませんが、常に「自分は不幸だ、可哀想だ、気の毒な人間なのだ」と考え続けることにはあまり利が無さそうです。

期間限定で活用したいところです。


3.「〇〇な自分ならOK」という条件付きの自己愛

自分を愛せない人に多いのが、自分の欠点や望む特性にばかり注目しているケースです。
ダイエットに成功したら、二重だったら、部長に昇進したら、結婚したら。
今の自分はそれが無いからダメ。
望む条件を手に入れた自分なら愛せる

目標を達成しようと頑張っているならいいと思いますが、今の自分を受け容れない状態で「〇〇ならば」と思っていると、1つ叶えたらまた他の「〇〇ならば」が現れて、永遠に自分を受け容れられません。


4.「自分を愛する」とは

今の自分をそのまま無条件に「OK」としましょう。

夢や目標を持つのは素晴らしいことです。ただ、それは現状からのステップアップです。
現在の自分も大事にし、価値があることを認め、その上でプラスアルファとしての夢や目標と、それを叶えた時の成長した自分を目指す、と言うのは如何でしょうか。

日々の生活で疲れている自分をいたわり、優しくします。
辛いな、いやだな、と思う感情を拒否せず受け入れます。
欠点も自分の個性、特徴の一つです。
良いところもたくさんあります。自分を愛さない人は褒め言葉を受け容れません。人から褒められた些細な美点を素直に受け入れます

自分を愛することは、「自己愛パーソナリティ障害」的な特徴でも、甘えでも、責任放棄でもありません。

「承認欲求」という感情が問題視されることがあります。
ある程度の他者からの承認は必要ですが、自分で自分を愛していないと、自分の担当分も他者におっかぶせて承認を求めてしまいます。

自分を愛するとは、甘やかすのでも憐れむのでもない、何かから逃げることでもなく、今この時の自分を丸ごと受け入れること、ではないでしょうか。


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