気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その46~

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いつもありがとうございます。本日も少々お付き合いをお願いします。
昨日の終盤の記述をもう少し整理します。
伝え方がまずくて、真面目にお読みくださってる程に混乱する可能性があります。
そもそもが呼吸はあれこれと操作しない方が良いと訴えております。
そして、呼吸にはインプットに特化した通常の、このブログで言う所の第一パターンと、アウトプット対応の第二パターンがあるとも。
で、歌などの外部への発信状況に心身が自然に対応することで第二パターンの呼吸はひとりでに姿を現します。
それを阻害しない為にも、普段はひたすらに第一パターンの呼吸に自らの承認を与えるように大事に大事にしてあげることです、と言っています。
それでこの↑最後の部分が誤解を招きます。
普段はひたすらに第一パターンを大事にすることと、第一パターンを筋トレみたいに強化してアウトプット対応に応用しようとすることは全然違う事です、と、今はしっかりとお伝えしたくて、何しろ世間一般のヴォイストレーニングで、ご丁寧に呼吸のことにまで言及してしまってる内容が、正にそれなもんですから。
第一パターンの呼吸の特徴である、吸気時に緊張を持つ方式のままで、如何に多くの息を得ようかと工夫し、その緊張を抱えたまま、というのが、なるべく溜めた息を長持ちさせようとする訳ですから、更に体が速く縮んでしまわない為の緊張と、しっかりと大きな声を発するための緊張を上乗せさせるのです。
寝転んでお腹の上に辞書を乗せて、お腹に力を入れながら発声したりとか、具体的にはそんなやり方が挙げられますね。
緊張→緊張→緊張→緊張→・・・・・。
歌ってる間、前奏や間奏以外はずっとこれの連続が、歌の " 基本 " ってなっちゃってることが未だに非常に多いという事なんです。
それで、こんなことが正しい基本だなどと時間とお金を使って教わってしまったら、それを無駄にしたくは無いという意地も手伝って、何とかその方向性での努力に花を咲かせようとしちゃっても不思議はないですよ。
でも悲しいかなそれが、肝心なアウトプットの機、自分の見せ場、勝負所で、そんな知識を身に付けようとさえしていなければ心身は勝手に第二パターンの呼吸をやってくれるのに、その変容の芽を摘んでしまうという愚を犯していることになるのです。
緊張→緊張→緊張→、では無くて、緊張→弛緩→緊張→弛緩→・・・・・・・の交互のバランスが重要だと既に昨日ご説明してあります。
第二パターンの呼吸という、元から皆さんの内に備わっているポテンシャルをそのまんま素直に解放出来れば、弛緩する=吸気→緊張=呼気=声→弛緩→緊張、とずっと繰り返してくれます。
そしてここで言うところの緊張とは、皆さんがきっと思い浮かべるであろう過緊張や余分な緊張のことではなくて、自身の存在を維持し際立たせる為に必要な、無理の無い良質の心身の張りや活力の事を指しています。例えば正しく調律された弦楽器の弦のような良質のテンションとか、瑞々しいブドウやトマトの表面の弾力のようなものだと捉えてください。
これで歌いますと、緊張と弛緩の順序が入れ替わるだけでバランスは崩れずそのままですから、疲れません。
そりゃあ、一所懸命気持ちを込めて歌いますから、時間の経過とともにそれ相応には疲れますよ。
でも、基本歌うとは呼吸してることで、緊張と弛緩のバランス内で呼吸してる分には疲れないとも書きましたように、不用意な疲れ方はしません。
それでその、第二パターンの呼吸に変容する契機を空振りしない為の備えが何か無いかと、そんなことは出来ないのかと工夫してみようと、それが僕の本業で、その痕跡を少しお伝えしようかと思っています。
自分で自分に言ってもいる、呼吸はいじくり回さないという条件の下に、ですよ。

つづく


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