「夜通し散歩」

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【不眠不休訓練】





10歳の時
ボーイスカウトと言う
野宿訓練をする団体に入団してた。

ここでは
まきを作り火おこしをしたり
登山訓練をしたり
野営料理を作ったりした。

その他にも
手旗信号の訓練をしたり
募金活動やイベントの交通整理等
色々やらされた。

このボーイスカウトの訓練の1つに
夜通しかけて都内を40㎞歩く
特殊な訓練があった。
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ

この時の俺は
丸1日寝ない夜通しなんて
生まれて1度もやった事が無い。

それに
何で真夜中にこんな事やるのかも
訳が解らなかった。

しかし
ボーイスカウトがやると言うのだから
嫌でも参加しないとならなかった。
ヾ(≧Д≦)ノヤダヤダ


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【金魚の糞】





そして当日
学校から戻り
少し寝てから行こうと思って
寝ようとしたけど結局寝れず終い。

この時の俺は
夜中歩き続ける事が出来るのか心配で
緊張で寝れなかった。
( ´Д`)=3 フゥ

そしてとうとう
家を出ないとならない時間になり
水筒にむぎ茶を入れて
集合場所に向かった。

集合時間は
夜8時にボーイスカウト事務所に集合。

ここがスタート地点になり
夜通し眠らず歩き続ける事になった。

この訓練は
班ごとにまとまって行い
班長が道案内をする事になる。

俺は
班長じゃないので
ただついてくだけで楽だった。
(´∀`*)ウフフッ


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【疲労困憊】





そして我々の班が
40㎞走破に向けてスタートした。

最初の2時間位は
余裕で歩き続ける事が出来たけど
だんだん疲れて意識も
もうろうとしてくる。

この状態を
麦茶を飲んで耐えようと思い
水筒の麦茶をがぶ飲みしながら歩いた。

しかし
全然意識が回復せず
これが何なのかも解らなかった。

でも多分
体の疲れと眠気だろうと
うっすら感じてた。
(*´゚д゚`*)ネムネム

そして
4時間位歩いた頃
だんだん体に限界が来てる。

歩くペースも落ちて
だんだん足がしびれて
感覚が無くなってきた。


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【脱落者】





ふと班員を見ると
みんなも俺と同じで
ゾンビみたいな顔して歩いてた。

それを見た俺は
「俺も今こんな顔なんだろうなぁ~」
そう感じてしまった。
(´・д・`)ショボーン

そして
しばらく歩き続けてたら
突然班長が「俺リタイアするわ」
そう言いだした!

我々班員は
「何で!班長が!」とビックリして
問い詰めてみた。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ

そしたら
「もう歩けないからやめた~」
そう言いだした!

そして班長は
俺に地図を渡して「後よろしく!」
そう言って巡回してる脱落者回収用の
ワゴン車に乗って帰ってしまった。

仕方ないので俺は
方角を計測する
「シルバーコンパス」と言うのを使い
ゴールまでの道を調べてみた。


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【近道】





調べた結果
なんと後たった5㎞位で
ゴールするでわないか!

俺は
この距離ならどうにか歩けそうと感じ
地図を見ながら目的地まで向かった。
ε-(゚д゚`;)フゥ…

でもだんだん
シルバーコンパスを使い
いちいち調べて歩く事が
面倒くさくなってきた。

そこで俺は
地図でてゴールから現在地までの道を
逆算して道筋を確かめてみた。
( *゚Д゚))フムフム

そうすると
訳の解らない道がたくさんあるけど
この変な道を強引に行ってしまえば
結構近道になる事が解った!

そして俺は
「班員に凄い近道見つかったから
きちんとついてきてね!」
そう言って歩き出した。

近道を歩き始めた我々は
団地の中を通り
公園を突っ切り
工事現場も突っ切って歩いて行った。

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【罠】





この時もう6時間位歩き続けてる為
足がパンパンに剥れて痺れて
地面に設置してる感覚が無かった。
ヽ(゚Д゚; )ノツカレター

更にもう地図を見る気力もなく
道路標識や周辺地図の看板を見て
ゴールまで向かって行った。

そして
しばらく裏道を歩き続けると
見覚えのある尾久橋が見えた!
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

尾久橋を見た我々は
もうゴールが目の前だと解り
疲れた体で踏ん張りながら歩き続けた。

そしてようやく
ゴールにたどり着き
班員全員その場に倒れ込む様に
座ってしまう。

そこに隊長が現れ何やら怖い顔をして
「お前ら指定のコース歩いてないだろ~
巡回車で見つけられなかったぞ~」
そう言われてしまった。

この時俺は
「え?!指定のコースなんてあったの?!
俺班長じゃ無いから聞いてないよー!」
そう思い班長にはめられたと感じた。

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