「見えない大道芸」
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【チンドン屋】
6歳の時
当時住んでた三郷団地にいた劇団が
よくチンドン屋をして団地をねり歩き
お店の広告を配って回ってた。
チンドン屋が来ると俺は
楽しそうな音楽につられてしまい
母親に一緒についていきたいと言って
しばらく後ろについて一緒に歩いてた
(´∀`*)ウフフ
その後チンドン屋をよく見てると
何か広告らしきものを配ってるから
それが欲しくなってもらうため
母親から離れ走って近づいていく。
そしてチンドン屋に追いついて
「僕にもちょうだい!」と言うと
飴玉と一緒に広告を手渡されて
喜んで母親の所に戻った。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
広告を母親に渡し読んでもらうと
今度大道芸人達が来るそうで
その場所が小高い山がある広場の
「お山の公園」と言う場所だった
この時俺は
大道芸と言うのが解らなかったので
母親に「大道芸って何?」と聞くと
広告の写真を見せて説明してくれた
その説明が「凄い芸をするんだよ」
と説明されただけで何の事か解らず
写真を見るとサーカスでもないし
ただの仮装集団にしか見えなかった
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【人混み】
大道芸人が来る日は
1週間後の日曜日だから母親に言って
絶対連れてってもらう約束をし
凄く楽しみに待つ事にした。
そして1週間後の日曜日
昼過ぎから大道芸が開催されるので
昼食後お山の公園に向かうと既に
団地の住人がゾロゾロ歩いてた。
この頃住んでた場所が3街区で
ここからお山の公園まで歩くと
10分位かかってしまうほど遠いのに
この地点でもう人混みが出来てる。
この光景を見て俺は
いかに大道芸が人気なのか知り
急がないと見る場所無くなりそうで
母親をせかして歩かせた。
お山の公園に到着すると
案の定凄い人混みだったけど
小高い山の斜面にみんな座ってて
下のステージを見る事が出来た。
しかし少し遠くて見えずらく
何とかして見えやすい方法ないか
考えて周りをよく見ると最前列に
子供達が集まってるのを発見する!
それを見た俺は
「我々子供なら最前列に行っても
全然構わないんだ!」と思い
一緒に来てた弟のヨッチと向かった
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【パントマイム】
無事最前列に到着した我々は
まじかで大道芸を見れる事になり
ワクワクして興奮しながら待つと
やっと大道芸が始まった!
するとチンドン屋さんが音楽を奏で
ピエロが出て来てダンスを始め俺は
生まれて初めてのパントマイムを
見る事が出来た!
パントマイムを見た俺は
明らかにそこに物が無いのに
物があるかのような動きをしてて
何も見えない俺が変だと感じる。
でもいくら目を凝らしてよく見ても
壁も紐も箱も無いのに絶対何かある
動きをしてたから何が何だか解らず
催眠術にかかった気がしてた。
なのでヨッチに「物が見える?」
と聞いてみると「見えるよ!」
そう答えたのでスゲー!と思い
何も見えないのが悔しかった。
(´・д・`)ショボーン
そしてピエロのパントマイムが終わり
このとても不思議なダンスに俺は
何で何も見えないのか訳が解らず
呆然としてしまう。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
なのでもう1度ヨッチに
「本当に物が見えた?」と聞くと
「みえた!」と言うのでやっぱ俺が
変なんだと思ってしまった。