「世界を理解する頭づくり」です。
この記事で言いたいこと、終了です(笑)
創作物の感想を提供サービス「第一読舎」です!
あとは持論の掘り下げですので、お時間と興味のある方はお進みください。
<読んでほしい方>
○勉強に意味を感じない高校生の皆さん(オタク寄りな方は特に)
○お子さんに勉強の意味をわかってもらいたくて悩まれているお家の方
ご参考となれば幸いです。
「 自己紹介と、あの質問 」
まずは自己紹介。
私こと第一読舎のひとり、アンディはエンタメ系の出版社に勤務していました。
その経験を活かし、ついこの間まで、マンガの専門学校とその附属高校で先生をしていたのです。
「業界の動き」「本の仕組み」「メディアの違い」「物語の作り方」「取材テクニック」などなどを教える編集講師でした(キリッ)。
よおし我が生徒たちよ! 一緒にバリバリデビューしような! と思っていたら……得意な部分だけ担当するわけにも行かず。
クリエーターを目指す高校生たちの、担任の先生もしていました。
色々書いてしまいましたが「漫画に強い学校の先生」をしていた、とご記憶ください。
そんなこんなで、本格的に学校の先生なるとは夢にも思わなかった元編集・記者ライターの私ですが、生徒からすれば先生は先生。大人として、先生として、質問がくれば応えなければならない!
着任から程なく、やはり伝統的なあの質問がきました(笑)
「学校の勉強がなんの役に立つんですか?
社会で使ってるの、見たことないですけれど」
質問に見せかけて勉強したくないという八つ当たりが大半なのですが、なかには本当に疑問で聞いてくる子もいるんです。
先生になってみて、これは仕方ないなと思いました。
例えば「社会に出るためにいっぱい勉強しましょう」と校長先生からお話された直後の授業で、二次方程式なんて習ったら……。
「これ社会のどこで使うの? 」になるのは当然ですね。
ここで大人も子供も立ち止まって、勉強の意味を伝え合わなければ、互いの人生がつまらなくなると言っても過言ではないと思います。
あの質問のこたえ
「学校の勉強が何の役に立つんですか?」
「社会の使ってるの見たいこと無いですよ!」
私なりのこたえではありますが、
考えながら近づいて行こうと思います。
まず学校の勉強はそもそも社会で本当に使われているのか?
前項であげた二次方程式を身近な例で考えていきましょう。
「距離や速度」の関係を導き出す公式ですね。
私も、学校を卒業して、大人になってみて。
「距離や速度に関係すること」
例えば、車の運転中を思い出してみます。
う~~ん。確かに。
二次方程式を使って運転した覚えはない!!
しかし。
その自動車を開発するためには、二次方程式が使われています。
この一例だけで全てを語ることは難しいのですが、
実際、学校の勉強は社会で使われています。
「使わない人もいる」だけです。
つまり「学校の勉強は、使わない人もいるけど、無関係じゃない」ということを伝えたいです。
しかし高校生の皆さんにその説明をしても、
「車作る予定ないなら勉強する意味ないじゃん」と言われて終わり。
ううむ。ではもう一個、力説したい。
そもそも「勉強」とは?
情報を頭に入れるだけでは情報収集や暗記で終わり。それこそ覚えていても使い所がわからないままです。
勉強はその情報収集の一歩先、頭の活用基盤をつくる行為なんです。
情報を覚え、疑問を持ち、理由を考え、校外学習で実感し、問いに答え、試験で理解を試してゆく。
勉強で得られるもの、それは「考える頭」なのです。
考える頭は次々と、なぜ? なぜ? どうして? を繰り返し、世の中にあるものを理解していきます。
あなたの人生で直接使わない勉強も、世界を理解するための考える頭づくりに役立つのです……だから、勉強してほしいです!
「世界を理解する頭づくりしたからって、それが何なんですか?」
ぐぬぬ。ではもう一つ力説しましょう(笑)
アニメ・ゲーム・マンガ・ノベルに詳しい皆さん。
とくに、ゲームをする人や、
主人公が他の世界に飛ばされるジャンル「異世界モノ」が好きな人。
学校って、物語の序盤に出てくる、何かに似ていませんか。
学校は「この世界で生きていくための “チュートリアル” 」と考えてください。
どんな異世界モノも、主人公が、世界の仕組みを理解して馴染んでいくための描写が入りますよね。拾ってくれた宿屋の主人や、どこかの騎士団や、アカデミーなんかが、その世界での生き方を教えてくれて、自分が何に向いているのか選んだりしますよね。
チュートリアルで得た「考え方」を使って「世界を理解」する。
だから主人公は冒険に出ることが出来るんですよね?
「頭づくり」は「渡り歩く力」になるんです。
今は、わずらわしいかも知れませんが、「チュートリアルなげぇ~~」と思いながらも、卒業まで頑張ってほしいです。
<ぷちまとめ>
○学校の勉強は社会で使われている。
○「使わない人もいるけど無関係ではない」というだけ。
○使わないであろう勉強も理解することで「考える頭」が育つ。
○考える頭は世界を理解することができ「渡り歩く力」になる。
また、
○自分が使わない勉強も誰かが使って社会を作ってくれている。
○一通り学ぶことで自分が何に向いているのか可能性を見つける。
といったことも理解しておくと、なお勉強を受け入れやすくなると思います。
ちなみに①「シラバスを読みましょう」
ここまで偉そうに言ってきてなんですが。
学校からシラバスは配られていますか?
実はこのシラバス、魔の書物なんです。
教科ごとに習うこと一覧と、何に役立つ勉強なのかが書いてあります。
この冊子を読むとほとんど解決するんです(笑)
しかし一番最初に配られるため、入学書類などと一緒にどこかで放置されてしまう、可哀想な魔の書物でもあります。
活用していない学校も多いようですが、勉強の吸収力を高める指導がうまい先生はシラバスを活用しています。
「そういえばあった気がするなぁ」という高校生の皆さん、またはお家の方、一度引っ張り出してみるのをオススメします。
ちなみに②「学校要らなくない?」
勉強の意味に納得すると、一定数でてくる疑問です。
「じゃあネットとか本で勉強できるから、学校要らなくないですか?」
う~~ん、実は、嫌いな考え方ではありません。
あくまで私の考え方ですが、
条件を満たせるなら「学校は要らない」と思います。
その条件とは
「全人類が、自分ひとりで大人になれるなら」です。
大人になるというのは年齢を重ね、身体が成熟すればいいというものではありません。心や考え方も一緒にバランスをとって成長するのが理想です。
それには、人とふれあい、喜怒哀楽を経験し、時間や期限や規則に合わせて動く経験などが必要でしょう。
人が大人へと成長するには、人が必要なのです。
また、述べたように、勉強とは情報を詰め込むことだけではありません。
色んな角度から見たり、疑問を持ったり、理解を試したりして、「考える頭」が育つわけです。
これも、ひとりでは順調にはいきません。誰かに勉強を誘導してもらう必要があります。質問をしたり、先生だから補足できることを教わったり、友達の疑問に共感したり、意見を交換したり。
勉強もまた、人と一緒に居て育まれるものなのです。
こういう環境がワンセットになっているのが学校です。
また、社会という共同体をみんなで運営していくため、全国で共通した教育を行うのが、すご~~く、スムーズなのです。
こういう現実から見て、学校自体が要らないとは中々言いにくいわけです。
「対面式の学校が絶対正義!?」かのように捉えた方もおられるかも知れませんが……ご安心を。
高校自体に進学しないこと、
事情で学校にいけないこと、
通信教育で自分の時間を確保すること、
などなど、全日制の学校に行かない理由があってのことでしょうから、なにも問題ではありません。
「学校不要の条件」にあげたように、自分を大人にしていく努力は誰もが必要です。対面式の学校は「自分を大人にする環境のお得パック!」というだけ。行かないならば、行かないなりの方法で自分を育てればいいだけです。
ただ、「学校自体が不要」とは、さすがに無理があるかもね、というお話でした。
以上、思うところのある方もおられるでしょうが、経験を踏まえてどなたかのお役に立てればと思い書かせていただきました。