☆私の経験談☆

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コラム
高齢者夫婦で暮らしておられ、ご主人が末期の癌そして余命6ヶ月と

診断されてから、奥様がご主人の介護を懸命にされていました

子供は2人おられ仕事の帰り毎日、お母様とお父様のお世話をされていました

奥様は娘に迷惑をかけてはいけないという思いが強く

「もう来なくていい!世話なんてしてくれなくていい!」と

お世話に来てくれる娘とよく喧嘩をされるようになりました

徐々に娘も実家に行く日が少なくなってきた頃

奥様の体調が悪くなりました


献身的にご主人の介護で体力的にも身体的にも限界だったのでしょう

私が初めてお会いした時にはそんな状態でした

娘さんからお母さまをお父様の介護から離したい

そうでないと両親が共倒れになってしまうと相談を受けました

お母さまはお父様を家に一人残して自分が介護サービスを利用することに対し

強く拒否されていましたが、半ば強引に娘さんが決められ

仕方なくお母さまもサービスを利用することに納得されました

そのサービスは小規模多機能型居宅介護といい

【通い】【泊り】【訪問】という3つのサービスを一人ひとりの生活に

合わせて必要な時に必要なだけ利用ができるというサービスです

そこで【通い】デイサービスの様なサービスを利用されることになりました

最初はお母さまの不安などを考慮し短時間の利用から始めました


利用初日ハプニングが起きました!

施設に着くなりお母さまはトイレにこもり出てこられません(;´・ω・)

何度も声をかけトイレに入らせて頂きました

するとお母さまは泣いておられました


「私は娘に酷い事ばかり言ってきた、私は何もできないのに偉そうに
娘に罵倒してきた、だから娘に捨てられてここにきた」

「娘が許してくれるのなら、謝りたい」

「お父さんと一緒に死にたい、こんな自分が嫌いで仕方ない」と…


1時間ひたすらトイレで泣かれていたお母さまに

私はどう声をかけたらいいのか

「そんなことないですよ、娘さんたちはお母さまを大切に思っていらっしゃいますよ」

最初はそんな声をかけていましたが

そのあとは、ただただ寄り添うだけしか できませんでした(=_=) 

その後、少し落ち着かれ他の利用者様と一緒に過ごされ帰宅 されました

なんとかそれでも休まず利用していただけるようになりましたが

いつもうつむいておられ笑顔は見た事がありませんでした


そんな時、娘さんからお母さまの趣味(手芸)用品を預かりました

最初は「そんな事、手も器用に動かなくなった私にはできない

できなくなったのよ」と寂しそうなお顔で言われていました

そこで「私がするので、見ておいてください(*^-^*)」

と横に座り毛糸を編んでいました

すると少しづつお話してくださるようになり

「それでいいのよ」「そこはこうしたほうがいい」など

そのうち自分でも編まれるようになりました

ある日、一緒に毛糸を編んでいると


「私、まだ娘に謝れてないの…あの時とても酷いことを言ったのに…」


と話し出されました

「この毛糸編み終えたら、娘さんにプレゼントしましょう!」

「その時に謝ってみてはどうですか?」というと

「私も娘の笑顔が見たい、でも…」と不安そうにされていたので

「私が一緒にいます!ダメな時は私も一緒に謝ります」というと

お母さまが「あなたが謝るの?(*^^*)」と初めて笑顔を見せてくれました

数日後、お母様と一緒にプレゼントを娘さんたちに渡し

「ひどいお母さんでごめんね」と謝られました

すると娘さんたちは

「お母さん!すごい!まだこんな素敵なマフラー編めるんやね(*^^*)

お母さんに編んでもらったの何年ぶりかな?嬉しい!ありがとう」

とすごく喜ばれている姿を見てお母さまはまた泣かれていました

でも前とは違う嬉し涙でした(*^-^*)

その後、お母様はみるみる元気になられ

他の利用者さんのお世話や職員のお手伝いまでして下さるようになりました

半年後、お母様はサービスの利用を中止し娘さんたちと一緒に

お父様の介護に専念されることに決められました

その時、お母様は

ここを卒業します(*^-^*)また遊びに来ますね」

とても良いお顔をされていました

「元気になっていただけて良かったです。次は一人で無理されないように…」

と伝えると



「半年前にここに来させてもらって、この年になって分かったことがあるのよ

いくら親子でも“ごめんなさい”“ありがとう”“助けてほしい”

そんなことは思ってるだけじゃだめね、言葉にしないと…

そして、皆さんに“ありがとう”って言われるたびにまだまだ私でも

人に喜んでもらえることがあるから頑張らないとと思っていたら

こんなに元気になれました(*^-^*)私もびっくりしています!」



と笑顔で話してくださいました。


私はこの経験を経て…


人は誰かに必要とされたり、大切な人のために何かしてあげたいと思える

気持ちが大切なんだと感じました

誰かに必要とされることが

いま自分が生きる意味を見いだせるのかもしれませんね

自分の為だけに生きるって難しいですよね…

だから、介護をするときは家族でも介護職員でも

やさしさだけでその人ができる事までしてあげることは

その人の役割を奪ってしまう事もあるのです


人が生きるためには

身体の健康と心の健康どちらも欠かせない大切なものですね(*^^*)



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