【言いたいことを両親に】

記事
コラム
 「機能不全家族(①親(又はその立場の
 人)が肉体的・精神的に虐待をする家庭、
 ②親(又はその立場の人)が多大な期待
 をしたり、子供が家庭内の不和等を見て
 調和させようとして、大人の振る舞いを
 しなければならない家庭)」で育った為、
 親との関係で何らかのトラウマを抱えた
 私のような成人を「アダルトチルドレン」
 ということは以前にお話した通りである。
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 私の場合、父が自分の価値観しか認めず、
 子供の頃から事あるごとにやる事成す事
 を否定され、進学・クラブ活動・就職等
 至る所でケチのつけられ通しだったため、
 自己肯定感を喪失した①「精神的虐待」、
 食事のみならず何かにつけて家庭を戦場
 にした両親を見せられ、反面教師として、
 兄妹まで不仲にならぬよう注意を要した、
 ②親(又はその立場の人)が多大な期待
 をしたり、子供が家庭内の不和等を見て
 調和させようとして、大人の振る舞いを
 しなければならない家庭、が当てはまる。
 中高年の、カウンセラーとなった今でも、
 その図式は全く変わっていないのである。
 カウンセラーとして自己肯定感の喪失や
 「私は正しい」「私は愛される」という
 感覚が持ち難いのはかなり厳しいことだ。
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 心理カウンセラー自身がこのような所謂
 「インナーチャイルド」を抱えていては
 クライエントに適切な援助などできない。
 クライエントの話を聴く中で自分自身の
 つらさが泣き出すと、心の中を空にして
 クライエントには向かえなくなるからだ。
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 以前、心理カウンセラー養成講座を受講
 していた時には、「インナーチャイルド
 セラピーワーク」の実習が授業であった。
 本人・父親役・母親役・本人の心の声役、
 以上の役を設定し、本人は言いたい事の
 全てを伝える(心残りの気持ちを両親へ
 思い切りぶつけることが重要)。父親役、
 母親役は、本人の両親になったつもりで
 本人の気持ちを受け止め、お詫びや反省
 といった肯定的な言葉を返す。この時に、
 言い訳や否定はNG。最後に、本人の心
 の声役として、2~3人が本人はこんな
 気持ちであったろうと推察する気持ちを
 共感し、順に両親にぶつける。といった
 もので、私の場合は、主に、父に対して、
 子供の頃から、暴言や否定を受け続けた
 結果、著しく自己肯定感を喪失し、思う
 ような生き方をすることに躊躇せざるを
 得ないこと、そうしたことが本来の力を 
 発揮する妨げになっていること、自分の
 価値観しか認めず、さしたる根拠もなく
 周囲を見下し続け、家族をこんな状況に
 追い込んで、それに気づいてすらいない、
 それ故に、親であっても尊敬はできない、
 ということを穏やかに伝え、母に対して、
 子供の頃、たとえ躾のためとは言え、他
 の友達が享受している豊かさを与えない
 ことが過剰に過ぎ、それが、情操教育上、
 自身のパーソナリティやボキャブラリー、
 人間性の幅を著しく狭めている、という
 昔の接し方に対する正直な感想を伝えた。
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 私は、大人になってから、折に触れては
 こういった気持ちを実際にぶつけてきた
 ので、この実習でも難なくやれたのだが、
 人それぞれに体験してきたことやそれに
 対する思いが違う上、実習とは言えども、
 自分のつらい気持ちを吐き出す、両親に
 ぶつける、ということ自体が心の負担に
 なる人もいて、当時、胸がつまる思いで
 あった。親に気持ちをぶつけながら涙を
 流す人、私と同じく自己肯定感を持てず
 にいる切実な思いをぶつける人、両親を
 気遣い思いをぶつけられない人、様々な
 人がいたものだった。個人的な感想だが、
 一家の大黒柱たる父親が、一方的に他の
 家族を見下しているケースが多かったと
 思う。私の場合と同じである。私自身は、
 心理カウンセラーになった今も尚、その
 状態が続いており、個人としてはそんな
 父は軽蔑に値するのだが、カウンセラー
 としてどう受け止めるかが今後の課題だ。
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 御閲覧、心より感謝申し上げます。
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