(私が決める)日本の名宿 #8 三余庵

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こんなことを言うと失礼かもしれませんが、北海道にはなかなか名宿がありません。
そんなふうに思っています。
これには2つの原因があるのかなと思っています。
1つ目は、旅行者の期待値が高すぎること。「北海道だから絶対すごい美味しいものが食べれるに違いない!」という北の大地への過剰な期待。
2つ目は、大箱旅館(500室以上規模)の旅館が多いこと。
500室に2名ずつ泊ったとし、満室だと調理場では1000名分の料理を準備する必要があります。
厳選した素材の仕入れ、素材を活かした丁寧な調理、新鮮さを保ったスピード感ある提供…
なかなか難しいですよね。
そこに超期待感を高めたお客様がやってくる。ギャップが生じるのは仕方ないのではと思っています。
前置きはさておき、今日は十勝川温泉の「三余庵」をご紹介したいと思います。
新千歳空港からは2時間30分、帯広駅から20分にある温泉です。
私が知る中では泉質が日本で3本の指に入ると思います。
ここは「植物性モール温泉」と謳われていますが、美肌の湯と言われるだけあって、本当にしっとりすべすべを体感できる素晴らしい泉質です。
そんな十勝川温泉で「本当においしい食を体感できる」、それが三余庵の魅力だと思います。
いろんな口コミでも、食の部分については、やはり高い評価をいただいていますね。
三余庵の客室は全11室。
すべての客室に、植物性モール温泉をお楽しみいただける客室風呂がついています。
個人的には、特別室に泊まることをお勧めします。
特別室2室、檜風呂付和室6室、檜風呂付洋室3室という構成になっています。
通常客室もリビングソファーがあり、広さも十分で快適にお過ごしいただけまし、檜風呂も広々していて十分にモール温泉をお楽しみいただけます。
唯一の違いが、特別室には露天風呂がついており、外の風や空気を感じながらモール温泉を楽しめる点です。
それだけか!
と思う方もいらっしゃるかもですが、夏場の爽やかな季節に田園の景色を見ながら入る露天風呂、冬場の白銀の世界を見ながら肩までつかる露天風呂。
この夏の爽やかさも冬の厳しさも、北海道の旅の醍醐味だと思います。
通常客室の檜風呂は内風呂タイプになっているため、モール温泉は楽しめても、北海道の自然は体感できません。
なので、ぜひ特別室に泊まっていただきたいです。
春の海と桜の園という2部屋になりますが、春の海はメゾネットタイプになっており、寝室のベッドが2階のため、足腰に不安がある方は平屋になっている桜の園の方がいいかもしれません。
さて、一番の推しにした「食事」ですが、「素材を活かす」という点だと思っています。
一般的な旅館で食べる会席料理の流れとは違っていて、和の逸品や洋皿があったり、つまりは「その季節に一番おいしく食べれる食材を、一番おいしい食べ方でお客様へ提供する」というスタイルなのだと思います。
料理として美味ということはもちろん、素材が持つ本来の美味を楽しめるという感じですね。
そしてもう1点は「見るに美しい」という点です。
手をつけるのが惜しいというぐらい、きれいな盛り付けと演出、もっというならば食器の選び方をされています。
夕食を食べると「おいしい」と思うのですが、それをさらに確信に変えるのが、朝食のおいしさです。
朝食をいただくことにより、「やっぱり夕食おいしかったよね!」と蘇ることで、この旅館の食への満足度がさらに高まるようになっています。
私のお勧め時期は夏です!
もちろん、緑がきれいで、風や空気が気持ちいいということもあるのですが、夏場しか獲れない「エゾバフンウニ」が食べたいからです。
北海道の味覚は「冬」という方もいらっしゃると思いますが、春には新鮮なお野菜が美味しかったり、1年中、楽しめます。
その中でも、私は新鮮な「エゾバフンウニ」が食べれる、夏場がおすすめです。
全11室、静かな空間に最高級の「温泉」と「食」あり。
ぜひグルメ通の大人旅を計画される方にお泊りいただきたい名宿です。
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