発達障害と虐待:反応性愛着障害と脱抑制型愛着障害

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コラム
虐待を受けた子どもが、発達障害の症状を色濃く示すことがあることをご存知でしょうか。

極端な身体的・心理的虐待やネグレクト状態に置かれた子どもにASD(自閉スペクトラム症)あるいはADHD(注意欠如・多動症)の症状が色濃くみられることがあります。
以下に、子どもが安心感を得られないまま育った場合に、不安定で複雑な行動態様を示す2つの障害の特徴を示します。

反応性愛着障害:過度に警戒する
笑わない、甘えない、スキンシップを好まない、無表情など、対人関係や社会性の薄さが特徴です。相手を過度に警戒し、人に近づくときも視線をそらしていたり、抱っこされてもぼんやりしていたりします。 ほめたり、なだめたり、はげましたりしても表情を変えません。 楽しい、うれしいなどの陽性感情を示すことが少なく、恐怖、悲しみなどの陰性感情をよく示します。

脱抑制型愛着障害:過度になれなれしい
誰彼かまわずやたらベタベタする、話しかける、注目行動が多いなど、人に親しげにふるまうことが好きです。落ち着きがなく気分屋で、自分に注目してほしい時には乱暴な問題行動をすることもあります。自分が困ったときには助けを求めますが、逆の立場になったときに仲間を助けるなどの協調行動は乏しく、一方的です。

発達障害との違い
これらの愛着障害は、子どもの気質に拠るものではなく、育つ環境や養育者の子育て方法に原因がある後天的なものであるということです。
発達障害だと診断する前に成育歴をしっかりお聞きするのは、
また、虐待を放置してはいけないのもこのためです。

支援について
これらの子どもは親を安全基地と認識できず、親を頼ったり適切に甘えることができません。親自身が問題を抱え支援を必要としているなど、 しっかりした親子関係を築けない環境要因があると思われ、周囲は子どもだけでなく親も支援していくことが必要です。

子どもに積極的なアプローチをせずとも、子どもと養育者の距離を一回遠ざける、親へのカウンセリングを行い問題を整理するだけでも、子どもの愛着障害の改善につながることがあります。 安全基地の形成が足がかりとなって、人と接することへの安心感や信頼感を生み、人との接し方を改善することが望まれます。 
親の育児負担軽減をはかるなど、愛着障害を取り巻くすべての要因を視野にいれ、カウンセラーは解決策を探していきます。















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