中小企業に足りないのは、「経営企画」。なぜ必要か?

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ビジネス・マーケティング
経営者の皆様、おはようございます! 60か国でB2Bをやってきて、日本の中小企業のある特徴に最近気が付きました。

 以前はサポートしている社長様に対し、優秀な人を雇ってみてはいかがでしょう? 1500万ぐらいの年収を払ってでもきちんとした右腕を置いたらもっと会社は伸びると思います。 などとお伝えしておりましたが、もっと明確に何が必要なのかがわかってきました。

 ベネズエラで取引していた社長様から、ある日マーケティング担当としてドイツ人のPh.D.(博士)を雇ったので、打ち合わせをするようにとの依頼がありました。ドイツ人はPh.D.を取る人は多いですが、技術系はある程度いても、マーケティングでのPh.Dは難しいので珍しいなぁーなどと考えながら、首都カラカスを訪問しました。

 彼はビジネス拡大のため、今のビジネスである輸入品メインの販売から、独自ブランドへの転換をしていきたいので、協力してくれないか?ということでした。マーケティングの5P Products(商品)Price(価格)Place(店舗展開)Promotion(宣伝広告)Partner(パートナー)と中期事業計画を熱くロジックに語ってくれました。

 社長に、なんであんな高給な人を雇ったんですか?と聞いたところ、会社の伸びを加速させるためには、中期的な計画を立て、プロジェクトを立案し、実行する人が必要。給料以上の利益を出すだろうから、給料はあまり関係ないとのこと。

 社長自身は会社の方向性を示すことに注力したり、トライアスロンをもっとやったり、自由な時間を持ちたいとのことでした。

 中南米は全体的に人件費は安いですが、英語をネイティブレベルで話し、きちんと大学院まで出ている優秀な人は、普通に2千万を超えます。日本より高いぐらいです。

 日本においてB2Bビジネスやコンサルを行っていてよく感じるのは、社長が現場に直接指示を出していることが大変多いことです。沢山ある業界や地元のおつきあいに加え、業務を把握し、指示まで出しています。

 一方、総合商社から人を引き抜いてきた。自分に無いものを持っている、自分より優秀な人材が必要。今は地方で働きたい優秀な人が増えているんだよ!とおっしゃっている北陸地区の社長様もいらっしゃいましたが、まれなケースです。

 経営者の仕事は、方向性を示すことが8割です。Visionを実現するために”ひとモノかね”という資源をどのように割り振りMissionを行っていくか。会社の未来にご自身を投資する必要があります。

 世界で4,000万部売れた本、「7つの習慣」の”第二領域”を思い出しました。

 皆さんはどの領域で働いていますか?忙しい社長様は第4領域の、「憂さ晴らし」の時間を過ごす暇はあまりないですよね。

 第3領域は、できれば効率化したい「穀潰し」領域。ここが増えるとコストが増えます。地域や業界のお付き合いも、あまり意味のないものであれば第3領域ですね。

 第1領域は、重要に思えてそれでいて仕事しているように思えて、実は無駄な「憂い」の領域。トラブル対応などが主で、社長の出番である重要なお客様へ謝りに行くなどの仕事です。

 そして、自分を置きたいのが、第2領域。計画や勉強、健康づくり。読書や人脈作りです。将来の日本を知るための、海外視察なども重要ですね。未来に対する投資や「備え」です。

 中小企業に欠けているのは、社長の方針をくみ取り、プランを作り、実行する経営企画やプロジェクトマネージャーのような仕事です。それにより、社長が2の領域でいられる時間を増やすことができます。

 社長の下はすぐに実行部隊では、目の前のことをこなすだけで精一杯です。
 Visionをつくり、そこに向かって考え抜くと、今の仕事の延長では届かない部分が出てきて、イノベーションが発生します。

 日々の積み重ねだけでは、イノベーションは起きません。Visionとそこに向かうプロジェクトを組み立てる力がとても重要で、中小企業で不足している部分が多いと思います。

 私がコンサルさせていただき、成功している福祉事業コンサルタントは、まさにその部分を行っています。福祉事業はオーナーの下はすぐに実行部隊。中期計画やBCP(事業継続計画)などをきちんと立てる時間はなかなかありません。
 ぜひ社長さんは第2領域でいられるよう、優秀な経営企画の採用やアウトソースをご検討いただければと思います。

 本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございます。素敵な一日をお過ごしください。
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