海外のオーナー経営者ってどんかんじ?

記事
ビジネス・マーケティング
みなさん、おはようございます。エグゼクティブコーチのJunです。本日は日曜日。ちょっとのんびりとした話題を選んでみました。

 私は海外60ヶ国以上でB2Bを長年行ってきました。国ごとに代理店を設定しビジネスをしました。時にはその国をあてもなく訪問し新しいパートナーを見つけたり、時には現地代理店と裁判をしたりもしました。

 中南米はユダヤ系が多く、彼らは一般的には差別をしやすい私のようなアジア人に対しても、きちんと対応してくれました。2000年頃の Japan as No1の頃は、J&Jなどと言われ、ユダヤ系と日本人がビジネスで世界を席巻していたころでもあります。

 ユダヤ人の次に多かったのは、レバノン人ですね。カルロスゴーンのように、南米に新天地を見つけて移住されたレバノン人が力を付けていました。
 アフリカは、英語圏は昔イギリスがインド人を使ってアフリカを統治していたという歴史もあり、インド人との取引が結構ありました。

 インド人もユダヤ人も、ネゴをするのは本当にタフな人たちでした。彼らはほぼ必ず2名で対応し、一人が良い人の役、もう一人が悪い人の役を演じます。

 Aさんが、「そんな金額じゃ無理だ。これだったらすぐに大量に買ってやる。お前は海外支社の社長なら、すぐ決められる権限もあるだろ!」と、すごいプレッシャーをかけてきます。Bさんは、「Jun、お前の大変な立場もわかるよ。ごめんな、うちの兄がプレッシャーをかけて。この金額は厳しそうなら、ちょっとだけ値上げしてそこで決めちゃって、早くうまいものでも食べに行こう!」 などと、Aさんが席を外したときにやさしい声を掛けます。

 いつものパターンだなー と思い、「夕食は食べられなくてもしょうがない。今日は帰る! 」
 というと、Bさんが、「兄にはうまくいっておくからあとで話をしよう。とりあえず18時にロビーに迎えに行くよ。」
 という事で、結局は一緒に夕食を食べる事になります。 

お酒を付き合って、寝る前に日本の本社へ報告、次の日のフライトぎりぎりまでまた交渉ということで、結構ハードな日々でした。空港で替えの服だけ受け取って、また海外出張なんて日々でした。

特にユダヤ人はお金の流れを大変細かく見ており、支払いはひどい会社は裁判になるぎりぎりまで払わず、結局キャッシュフローはほぼほぼ取引先のお金で賄っているようなビジネスの仕方をしていました。

 もちろん、裁判を実際に起こしても良いのですが、裁判所は自国の国民を守るのと、会社と個人の資産は全く別物なので、勝ったところで大して徳にはなりません。それよりも、今あるビジネスを多少支払いが遅くてもまわしていく事が重要になるという慣習に持ち込まれます。頭が良いですよね。

 彼らの家族の結束力は大変強く、兄弟とその家族も家族の一員という感じで、サポートしあっています。ユダヤ人同士の情報の交換は週末の教会やユダヤ人が集まるレストランで毎週のように行なわれています。いろいろな業者が仲間うちにおり、ビジネスが完結するので、皆お金持ちになってしまうというような感じです。

 彼らは良く勉強します。ほぼほぼ米・英の大学に留学に行きます。頭が良くなくても、語学学校に行ったり、取引先の会社で1年間働かせてもらい、ついでに英語の学習と人脈を作ります。

 私もペルー人をイギリスの自社工場で働ける手配をしたことがあります。
 世界には相続税が無い国がたくさんあります。なので、そのようなファミリーは、教育をきちんとして人脈を親から引き継げば、代々お金持ちでいる事が出来ます。

 ポイントは、”教育”であると思います。
 日本は通貨は大変安定しておりますが、中南米やアフリカなんて、いつ手元のお金が紙くずに変わるかわからないような国です。仕入れをして手元に物が届く6か月後に、為替が大きく変わってしまう可能性もあります。

 なので、お金の勉強はとても良くしています。ビジネスをうまく使いながら様々な方法でリスクヘッジをしています。
もう一つは語学です。

 英語を話すことは必須と彼らも考えています。情報の量とコミュニケーションの量がまったく変わってきます。

 ”勉強”って、学校の勉強ばかりではないんです。特に日本では学校であまり教えない、”お金”や”国際的なコミュニケーション方法”を知ることが大切だと思います。

 現在は多くの日本の社長様とお付き合いさせて頂いておりますが、2代目、3代目の方々は多くが海外留学を経験されております。ビジネスをしてても、彼らと海外を知らない人との考え方や視点は大きく違います。

 勉強は、若い人たちだけの特権ではありません。本田宗一郎も31歳の時に学校に入り直しています。日本のリカレント(学び直し)は世界でも最低です。社会人になってから勉強する事の重要性を私は彼らから学び、40歳を過ぎて大学院に行くことにしました。

 彼らとお付き合いさせて頂き学んだことは、ファミリービジネスっていいなぁー という事です。知識と知恵を親から子へ受け継ぎ、資産も守りながら多くの人たちの役に立ち、地域に仕事を与えている。

 日本は相続税もあり、税率も高く、大変厳しい国ですが、そのようなファミリービジネスを行うオーナー経営者をサポートしたいと思います。

 私は実家が運送会社でしたが、後を継がず、親はビジネスを辞めてしまったという事も心のどこかにあるのかもしれません。

 私は、会社はほぼ経営者次第だと思っております。野球も監督が代われば同じチームでも成績は全然変わります。指揮者が変わればオーケストラの奏でる音も全く変わります。

 経営者をサポートする事は、お客様も社員もハッピーにできるという、とても大きな影響力を持っているからであり、また海外の様々な経営者にお世話になったことの恩返しでもあるからです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す