[新人研修]15.頼り上手になろう

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最初のうちは質問そのものも難しいという話をしましたが、どこまで先輩に頼って良いのかも迷うところです。上司や先輩に頼りっぱなしってのはなんだか申し訳ない気持ちになりますよね。そこで頼られる側の気持ちを考えてみましょう。

 心理学的には、頼り上手は好かれる効果があるそうです。これを説明します。あなたに頼られた上司や先輩は「あいつを助けてやった。」という気分になります。これは“自己有用感”と呼ばれる良い感情です。言い換えれば自分が役に立つ人間だという満足感です。あなたが頼ることで先輩は自己有用感を得られます。

 先輩が忙しくてこちらの質問や相談を後回しにされることもあるかもしれません。そのような時は後で仕切り直せばよいのです。新人たる者、最初は少し甘えるくらいの気持ちで先輩を頼って、満足感を与えていきましょう。
(雑談ネタ)
あることで良い気分になることは、他の良い感情にも連鎖反応を起こします。例えばあなたがある先輩を頼りにした場合を想定します。その先輩の中では頼ってもらえたことへの満足感が生まれます。そして「頼ってくれたあなたに自分は信頼しされている」という感情に置き換わります。これがあなたに向かう時には好印象という形になります。

 このように、ある特定の感情に引っ張られた一部の評価が他の面の評価にまで影響を及ぼします。社会心理学的にはハロー効果と呼ばれる現象です。
 ただしこれがマイナス面に転がると「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということにもなります。私も職場で嫌いな人が居ますが、ついついその人の悪い面ばかりが見えてしまいます。良い面にもスポットは当てるように努力が必要です。

(雑談ネタ2)
「安易に頼ることは弱みを見せるようで気が進まない。」という人もいますね。でも、時には弱みを見せることもコミュニケーション手段としてはとても有効なスキルと言えます。

 メンタリストのDaiGoさんが“美しい欠点効果”と呼ぶ現象があります。欠点を晒すことは相手に心を開く行為です。こちらから弱みを見せることで素直さや裏表の無さを伝えます。相手の心のハードルを下げ、相手の懐に飛び込みやすくなるということです。

 隙を見せない人間よりも、ちょっとくらい隙がある方が可愛げや人間味を感じるものです。そういうやり方もあるということを覚えておいて損はありません。

(雑談ネタ3)
心理学的にさらにもうひとつ。ミシガン大の研究でも効果が認められているアドバイスシーキングという手法があります。簡単に言えば、アドバイスをするとその助言を送った相手のことを好きになる癖が人間にはあるということです。私達が誰かにアドバイスをしてもらう行為は相手に強烈な快感を与え、気持ちが良くなり、それによってその相手を味方にしてしまえるというわけですね。

 いかがでしょう?心理学的には“頼る”ことには良い効果がたくさんあります。使わない手はありません。遠慮しなければならないというのは自分が勝手に決めたメンタルブロックであることがほとんどです。これはさっさと取り払いましょう。

 “頼る”テクニックは年齢を重ねてからでは身に付けることが少し難しくなります。新人のうちに習慣づけておく方が有利です。ぜひ試してみてください。

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