2・6・2の法則③

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ビジネス・マーケティング
理想論としては全員に同じ機会が与えられるべきです。しかし実際にそのようにうまくいくことは稀ですし、企業(組織)の目標達成のためですから費用対効果の高いところから優先的に投資すべきです。

パレートの法則では組織の20%の人が利益の80%を生み出すと言います。パレートの法則の20%に当たるのがまさに“太上”です。“太上”の人だけで組織が構成されていれば良いのですが、世の中の大半の人は“常”です。大きくは満足しないまでも無難にやれていればそれなりに自分を納得させて生活していく人です。“常”にいる人は心の領域で言えばコンフォートゾーンに居る人です。そこから無理に引っ張り出そうとすれば抵抗されたり、迷惑行為になってしまったりもします。また“太下”は何をやってもうまく行かなかったりして意欲に欠く人です。本来優秀な人でも色々な要因で学習性無力感に陥ればこの“太下”に入り込んでしまいます。まずは意欲が持てるようにすることが先決です。小さな組織では人材にかけるリソースは限られていますから、できるだけ効率よくマネジメントをする必要があります。従って全員に同じような機会を設けることは得策とは言えません。

小さな組織におけるタレントマネジメントはどこから手を付けるべきか?基本は“太上”からだと私は考えます。放っておいても伸びる人なのですが、80%の利益を作る人ですので組織にとってはとても重要な人材です。そして、意欲の高い太上を放っておくと「今の組織よりも他に移るほうが自分は成長できる。」と考えて組織を抜けることに繋がります。そうなれば他社が得をし自社が損をすることにしかなりません。だから最優先に機会を提供すべきということになります。

また“常”、“太下”に対して無理に機会を与えても、却って士気の低下に繋がることさえあり得ます。“常”はとりあえず今のままでも良いと考えている人が多くいます。その中には「変わりたくない。」という感情が働いている人も居ます。“太下”は気持ちを上向かせるところから始めなければならないので、「これはあなたのためのチャンスだ!」とか「研修だ!」と大上段からやってしまうと反発されるだけです。

折角の投資であっても、迷惑行為になってしまえば逆効果でしかありません。そのリスクを負うよりも、利益を生み出す20%の“太上”から優先的に機会を与え、育てる方が組織としては効率が良いと考えます。
ところで研修などを施しても、そこで学んだことを実行するのは10人に1人程度とも言われます。学びを実行に移すのが"太上”だけであれば、その割合もなんとなく理解できるというものです。



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