2・6・2の法則①

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人は組織を作って色々な活動をします。その組織が大きくなると少数の上位者、多数の中位者、そして少数の下位者に階層が分かれてくることが知られています。小さな組織であればそのようなことはあまり起きないのですが、大きな組織では非常によく見られる現象です。

高校で例えてみましょう。進学校には地域の中学校の成績優秀者が集まります。でも高校生活をしていくうちに、中学の時のように順調に成績が伸びず、必ず落ちこぼれてしまう学生が出ます。卒業するころには二番手、三番手の高校の上位者の方が成績が伸びて逆転し、進学校の下位の生徒よりも良い大学に進学することもあります。これは会社組織でも同じことです。大きな組織になるとどうしても下位者に目が行き届かなくなり、指導のクオリティーが下がってしまうことも原因の一つと考えられます。

さてこの割合ですが、一般的に2:6:2に別れると言われます。松下幸之助も組織にはこのような序列が生じるものだと考えていました。古代中国の法家である韓非子も同様に2:6:2の割合で太上、常、太下(たいじょう、じょう、たいげ)に別れるとしています。

常とは普通の人のことで大半の人がここに属します。“太上”は優秀な人、“太下”は下位グループということで、ここに属するのはどちらも少数です。
“太上”のグループは放っておいても自分で考え自分で伸びていきます。管理者としては手のかからない人材です。

それとは対照的に“太下”は指導にかなりの根気が必要となる手のかかる人材です。この人たちを落ちこぼれにしないためにはしっかりとエネルギーを注ぐ必要があります。

残る“常”の人達は、太上か太下のどちらかに影響されやすい傾向があります。“太上”が良い影響力を及ぼしている組織は良い雰囲気になりますし、逆に“太下”に引っ張られている組織は全体の雰囲気も悪くなります。管理者としてはできの良い人かできの悪い人に注目しがちですが、この“常”に属する大半の人がどちらの影響を受けているかということには常に目を光らせておく必要があります。これにもエネルギーが要ります。こうして管理できる人数の上限は自ずから決まっていくのです。


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