[新人研修]4.価値観の時代

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ビジネス・マーケティング
テレビ、冷蔵庫、洗濯機など今では当たり前のモノがかつての日本にはありませんでした。現代は様々なモノで溢れ、モノの価値は低下します。単にモノを作っただけでも売れた過去とはまるで違うと厳しい時代です。

 消費者は物質的なモノよりも精神的なモノに大きな価値を認めるようになりました。単にモノがあるだけでは不十分で、より高い喜びや楽しさで心を満たすことを求められています。
 心には心で触れるしか方法がありません。価値を認めてもらうには心が伝わる仕事をする必要があります。その方法はいくつもありますが、私の経験から一つ、具体的なお話をします。

 以前に勤めていた通信販売会社では「商品にストーリーを込めろ」と厳しく叩き込まれました。商品の歴史や文化的な背景などの生産者の想いがお客様に伝えると、その共感の深さに比例して付加価値が生まれます。すると値段が高いモノでも納得して購入していただけるというわけです。

 商品やサービスが持つ価値に気づき、または価値を高められるかが勝負のポイント。そんな「価値観の時代」に私達は生きています。

(雑談ネタ)
その当時勤めていた会社では南信州の特産物のブランド干し柿である市田柿を扱っていました。市田柿というのは冬の定番のお菓子で、南信州の人にとっては珍しいものではありません。近所の農家からおすそ分けがどっさり回ってくることも珍しくないものです。ですから、最初にこの市田柿を主力商品に据えるとの判断が下った時、南信州出身の社員は「こんなものがそんなに売れるわけがない。」と疑ったかかったものです。

 しかしこれが他の地域では高い価値があるモノであることはすぐに証明されることになります。それに加えて一つ一つ個包装し、化粧箱に入れて付加価値を更に上げることで、南信州ではありふれた干し柿が都会ではひと粒で1000円でも飛ぶようにに売れていきました。ありふれた物でもひと工夫加えれば新たな価値が生まれる。市田柿を通して学んだことです。
(雑談ネタ2)
その会社ではスピード感を持ってビジネスを展開することや、日本一や世界一をイメージしながら働くことなど、大切なことを数多く学ばせていただきました。
 飯田に初めて事務所を構えた時は2人の役員に私という、たった3人でスタートした事業も数年後には300人に迫る所帯となり、社屋や工場も建設しました。いずれも新しい価値観に挑んでいた良い面が結果に結びついたものです。
しかし速すぎる速力を維持するために強引さが目立ったのも事実です。やがて事業計画に重大な誤魔化しが生じ、それを補填するために顧客を欺く商法に手を出したのが致命的な結果をもたらしました。

 また従業員に対する扱いにも重大な誤りがありました。人を大切にするべしとの王道から外れることを繰り返すようになり、私は退職することになります。そのあたりの詳細は別途公開済なのでここでは省略しますが、仮にビジネスが軌道に乗っていたとしても、いずれは価値観の時代の変化に取り残され、人的に破綻していたのだろうと思います。

 商いも人間関係も、逃れることができない原理原則があるのだと思います。

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