現実の認識を高めよう!リアリティオリエンテーション

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見当識について記載したので、もうひとつ♪

認知症者の見当識障害は、時間→場所→人の順番に障害されていきます。

まず、今は何時なんだろう?いつぐらいの季節なのかしら…と時間の感覚が障害され、

次に、自分がいる場所がどこなのかわからなくなります。

最後に、人物認識があいまいになり、さらに遠くの親戚→同居人の順に認識することが難しくなります。


これらは認知症の種類や障害された脳の部位によって進行時間や重症度が異なりますが、基本的にはこの順番だといわれています。

例えば入院している人で『食事を食べない、食べようとしない』という人はいませんか。

ケアしている中でその様な状況があると、単に食べたくないのかな…と『拒否しているので膳を下げる』ことも多くあるのでしゃないでしょうか。

ここで考えてほしいのは、食事摂取をしないというのは本人の好き嫌いだけが理由ではないんですよ、ということ。

もしかして、その患者は「今が何時か、ここがどこの場所かもわからないので食べようとしない」のかもしれません。現実の時間では12時の昼食時間をさしていても、認知症の方の頭の中ではまだ起きたばかり…え?もうご飯?という認識なのかもしれません。


こういった際には、見当識を補い、スムーズに食事に向かうことができるような日々のケアが大切になります。
・朝の検温時間には「今は朝の9時になりましたので検温をしますね。」
加えて、「外は寒いんですよー。もう1月でこれからどんどん冬になってきますねぇ」
・食事の際にはただ単にお膳を持って行ってセッティングするだけでなく、
「○さん、お昼ご飯を持ってきましたよ。食事を食べたらお昼の後の薬も持ってきますね」
などの声かけを行い、時間間隔を補う関わりをしてみましょう。

また、いつもベッド上でギャッジアップし一人で摂取している方もわりに摂取拒否することがあると思います。

このような時はもしかして、「ここはどこ?なんでベッドでいきなり起こされているの?何をするの?」と思っているのかもしれません。
・医師からの安静度はどうでしょうか。車いすに乗車することは可能でしょうか。
このような時は可能であれば車いすに乗車し、食堂などで摂取をしてもらうと食べてもらえるかもしれません

食堂が目の届かないところで心配であるならば、ナースステーションの少し空いたスペースでも構いません。そこに何人か食事のスペースを配置してみてはどうでしょうか。

要は認知症者に食堂やステーションなどで他患者が摂取する姿や様子をみてもらい、『ここは食事をするスペースである』『今は食事の時間である』ということを認識してもらうことが大事です。


これらの現実的な認識を高める試みを【リアリティオリエンテーション】といいます。

リアリティオリエンテーションを日々の業務で行い、そのうえで例えば食事であれば、その人の嗜好や好み・いつもの摂取量などの生活歴を知って食事に活かしていくことが大事です。

ケアの参考になれば幸いです♪

何か相談に乗れることがあれば、出品もしておりますので、是非ご連絡くださいね。

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