認知症者の見当識って?

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コラム
今日は認知症者の【見当識】についてお話ししたいと思います。

私は病院で勤めているのですが、よく耳に聞くのが、
『○○さんなんで寝ないのよ~、もう寝る時間だよ。はい、寝てよ~』
という言葉。

この言葉、一見普通の声かけに聞こえますよね。

もちろんおかしい言葉ではないんですよ、『認知がしっかりしている人』にとっては。

認知症という疾患は、【認知機能が衰えている状態】です。
認知機能というのは様々あますが、時間・場所・人という見当識がわからなくなる障害も含まれます。

この見当識が障害されるとどうなるのか。
・時間がわからない→今が何時か、いつの季節などの時間感覚がわからなくなる
・場所がわからない→ここはどこ?住み慣れた自分の家じゃない?
・人がわからない→あなたはだれ?一見しただけでは認識ができない

認知症者が眠らない要因にも様々なものがありますが、こういった器質的な見当識障害からも不眠のひとつの要因になります。

だって、あなたなら今が何時かも、場所がどこかもわからない状態で、見知らぬ人に「早く寝てください」と言われて素直に寝ることはできます??

例えば、
認知症者が眠れなくてごそごそしているとき、それは今が何時なのかわからないのかもしれません。場所はどこなのか、また話をしているあなた自身がだれか把握できていないのかもしれません。
→まず、入院時には家人にカレンダーや時計など、見当識を補えるものを持参していただけるように依頼しましょう。
また、「こんばんは、ここは◇◇の病院で私は看護師です。○さんは家で調子が悪くなってしまってここに入院しています。」と現状の把握をしてもらうこと、
「今は【夜の】○時ですよ。消灯のお時間になりましたので電気を消させてもらいましたよ。」と声をかけ、時間を把握できるような声かけをしましょう。

見当識への声かけには上記のような例に加え、これまでの対象者の生活歴も把握していくとよりよいケアを行うことができると思います。

生活歴の重要性についてはまたの機会に記載したいと思います。


もし何かご相談に乗れることがあれば、出品もしておりますのでご連絡くださいね。



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