消費税インボイス制度(3)制度の注意事項とは?

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法律・税務・士業全般
10月も下旬ですね。
先週まで秋服で活動すると汗ばむような気候でしたが
いまではすっかり肌寒い毎日となりました。

さて、今回は制度の注意事項を、ざっくりと見ていきたいと思います。



インボイスを発行するためには、税務署長の登録を受けなければなりません。
その登録申請の受付が、今月1日から始まっています。
e-taxもしくは郵送で申請を受け付けていますので、
手続き方法については国税庁HPでご確認ください。


ここで、登録申請にあたり注意事項です。


①登録を受けた事業者は、売上高にかかわらず消費税の納税義務者になります
②登録を受けた事業者には登録番号が付与されます
③登録を受けた事業者は「適格請求書発行事業者公表サイト」に公表されます
(個人事業者は、屋号・事務所の所在地等を申出があった場合のみ公表)


①のインパクトは大きいです。
今まで消費税の納税義務がなかった事業主様も、
インボイスを発行するためには消費税の納税が義務になる、ということです。

そのため、ご自身の事業が果たしてインボイスを発行すべき事業なのか、
よくよく検討する必要があります。

例えば、学習塾とか商店街の商店主とか美容院とか、
売り手先のほとんどが事業者ではない個人のお客様のような場合、
果たして売り手先は本当にインボイスを必要としているのか、
そのような中であえてインボイス発行事業者になる必要があるのか、
そういった観点で検討してみる必要があると思います。


②はインボイスに記載すべき登録番号です。
前回の 消費税インボイス制度(2) でも書きましたが、
この番号が記載されていない請求書はインボイスとは認められません。

法人の場合、すでに付与されている13ケタの法人番号になりますが
個人事業主の場合はマイナンバーとは異なる新たな番号が付与されます。


③ですが、②の登録番号を用いて③の公表サイトで検索すると、
インボイス発行事業者の情報が見られるようになります。
この公表サイトは、登録番号から事業者名を検索することができますが、
事業者名から登録番号を検索することはできないとされています。

また、ご自宅で事業をされている個人事業主様は
ご自宅の住所を公表されることに抵抗がある方もいるかと思います。
個人事業主の場合のみ、事業所の住所を公表するか否かを選択できます。



今回は主に登録申請にあたっての注意事項について簡単にまとめました。
消費税の納税義務のない小さな会社や個人事業主様にとっては、
消費税の税義務者になるか否かは、本当に切実な問題であると思います。


以下は 消費税インボイス制度(1) の内容の繰り返しとなりますが
令和5年3月31日までに登録申請を済ませれば、制度開始日の令和5年10月1日からインボイスは発行できます。
それ以降であっても、制度開始日には間に合わないものの随時登録申請は受け付けています。

慌てる必要はありません。
ご自身は本当にインボイスを発行すべき事業者なのかどうか、を
申請前にもう一度、ご検討いただければと思います。


インボイスについてはもうちょっとお話したいことがありますので、
次回に続きます。





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