ツイノベ 261-265

記事
小説
コンビニでバイトを始めて数週間が経った。「お客様は神様です」と言うけれどそうは思えない。ある日、先輩が「神様は神様でも、疫病神と思えばいいんだよ」と笑っていた。なるほど。「お客様は(疫病)神です」か。気が楽になり「いらっしゃいませ」と、久しぶりに明るく呟いた/№261 お客様は神様

不思議な自販機を見つけた。そこには「苦労」と書かれており、見本には透明な缶が置かれている。「苦労は買ってでもしろ」と言うので、120円払うと飲み物が落ちてきた。取り出そうとすると中で引っかかる。四苦八苦の末、数分後にやっと取り出せた。え、苦労ってこういうこと?/№262 苦労自販機

人生で嫌なことがあったので、気分転換に心を入れ替える。胸部を開いて滅入った心を取り出し、ストックしてある「前向きで明るい心」と交換した。胸部を閉めて数分、たちまちと元気を取り戻して力が湧いてくる。よぉし、明日もがんばるぞ。………………なんて、できたらいいのになぁ/№263 心入れ替え装置

五時脱字す人が苦手だ。正だしい送り仮名が分からなかったり、間違った言葉の使い方を見ると呆れて失笑してしまう。日本人なのにちゃんとした言葉を使えないことに違和感を感じる。本当に語彙力が少ない人が本当に苦手だ。「やれやれ、面倒だは」僕わ日本語の乱れに頭痛が痛くなった/№264 正だしい日本語

「『人生』をアップデートする為の容量が足りません。不必要な思い出を消去して下さい」好きな小説繋がりで知り合った女の子を選択する。新年に向けたカウントダウンが始まる。あの子の記憶が不鮮明になっていく。いくつかの嫌いを置き去りにして、また、素晴らしい一年が始まった/№265 藍二乗

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