自分年金~iDecoが老後資金の対策になるのか?

記事
マネー・副業
投資の勉強をしているなら、
NISA・つみたてNISAなどの言葉を、
1度は聞いたことがあると思います。

この2つと並んで、
iDecoという名前もよく耳にしませんか?

簡単にいうと、
これらは税制優遇措置なので、
賢く利用するとお得な制度です。

ただ、iDecoとは結局何なのか、
老後対策におすすめな制度なのか、
そして、自分にもできるのかどうか。

こういった点が気になる人も多いと思います。

1.今さら聞けないiDecoのキホン
2.iDecoの最大のメリットとデメリット
3.iDecoが向いているのはどんな人なのか

iDeco自体はお得な制度ですが、
そのメリットを最大限活かせる人と、
そうでない人が出てきます。

また、デメリットも存在するので、
しっかり整理してみてください。

「iDecoに興味はあるけど、
 なんだか難しそうで自分にできるか心配」

という人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。


1.今さら聞けないiDecoの基本

そもそもiDecoとは結局何なのか。

正式名称は、
「個人型確定拠出年金」と呼ばれますが、
自分で年金を作る制度のことです。

一般的に年金というと、
国民年金をイメージする人が多いと思います。

毎月、決まった掛け金を積み立てて、
将来年金として受け取れる制度ですね。

国民年金で集めた資金はプロが運用しますが、
この資産運用を自分で行うのがiDecoです。

要するに、

【個人個人で作るオリジナルの年金】

という風にイメージしてもらうと、
わかりやすいのではないでしょうか。

そんなiDecoの基本的な流れは、

①自分で積立額を決める(確定拠出)
➁掛け金を自分で運用する
③運用した結果で年金の受取額が変わる

という3つです。

国民年金であれば、掛け金が同じなら、
誰でも同じ金額を受け取ることができます。

一方、iDecoは運用成績で金額が変わるので、
運用がうまくいけば、
たくさん年金を受け取れるということですね。

少子高齢化も進んでいますし、

・すべての人が払う国民年金
・会社員や公務員が払う厚生年金

この2つの年金では、
老後の生活が十分ではない人も多い時代です。

その対策として政府は、

「iDecoをはじめ、法改正を行うので、
 自分の老後には自分で備えてください。」

という風なスタンスになったので、
老後資金は自分でなんとかしなくてはいけないわけです。

その手段の1つがiDecoだと言えます。

正しく理解して活用することで、
年金に上乗せして老後対策の準備ができるので、
まずはしっかり理解していきましょう。


2.iDecoの最大のメリットとデメリット

iDecoの最大の特徴とも言えるメリットが、
節税効果が高いことです。

NISA・つみたてNISAでは、
運用利益が非課税という特徴があります。
(通常、20%の税金がかかります。)

仮に30年間で500万円の利益が出たとして、
普通に投資していた場合は、
この内の100万円が税金になります。

これがゼロになるので、かなりお得ですよね。

iDecoも同じで運用利益は非課税ですが、
それに加えて、
「掛け金が所得税控除の対象になる」
というメリットがあります。

例えば、30歳から60歳までの30年間、
毎月2万円を積み立てた場合の元本は「720万円」です。

この720万円は全額所得控除になるので、
所得税10%・住民税率10%の人の場合、
これだけで「144万円」の節税効果があります。

ピンとこないかもしれませんが、
簡単に言うと、この144万円は、
iDecoを利用していなければ払っていた税金です。
(他に節税をしていない場合)

そのため、
144万円の利益を得たのと同じ
こう考えるとお得に感じるのではないでしょうか。

ちなみに、年収が高いほど税率も上がるので、
節税効果はもっと大きくなります。

そのため、人によっては、
NISA以上にお得な制度になる可能性があるのです。

また、iDecoを利用して積み立てていき、
60歳以上になってから資産を受け取る場合、
この金額には税金がかかります。

ただし、iDecoで受け取る金額は、
退職金と同じ扱いになるため、

・公的年金等控除
・退職所得控除

といった税金を安くする控除を受けることが可能です。

国としても、
「自分で年金を作るために努力するなら、
 税金の負担を軽減しますよ。」
ということですね。

このようなメリットがあるiDecoですが、
当然、デメリットも存在します。


それが次の4つです。

・60歳まで資金が拘束される
・元本が保証されるわけではない
・各種手数料が発生する
・人によって節税効果が下がる

特に大きな注意点ともいえるデメリットが、
1つめの資金拘束です。

iDecoでは、1度拠出した掛け金は、
原則として60歳まで引き出すことができません。
(加入期間によって60歳~65歳と変わります)

条件を満たせば途中で引き出しもできますが、
ほとんどの人が満たせないものなので、

「始めたら60歳まではやめられない」

というのは必ず覚えておきましょう。
(積立を止めることは可能です)

2つめと3つめは、
普通に投資をする時のデメリットですね。

iDecoで購入できる商品には、
投資信託のように元本保証がないものもあるので、
途中で含み損を抱えるケースも出てきます。

国民年金と違って、
「積み立てれば必ず一定の金額が保証される」
という性質のものではないので注意しましょう。

また、専用口座を開設する時や、
掛け金の入金、受け取りの時に手数料も必要です。

これらは数千円程度ではありますが、
余計な手数料は少しでも抑えるべきです。

iDecoを利用する場合は、
なるべく手数料の少ない証券会社を選んで、
余計なコストをかけないようにしましょう。

最後に4つめも結構重要です。

メリットの部分でも話したように、
iDecoは節税効果が高いことが大きな魅力です。

しかし、本当に節税になるかどうかは、
人によって変わってきます。

というのも、
iDecoでは掛け金が所得控除になりますし、
NISA同様、運用益には税金がかかりません。

ただし、運用後に資産を受け取る際に、
課税されてしまうからです。

この時の課税に対しては、
先ほどもお伝えしたように、
退職金と同じ扱いで控除を受けることができます

とはいえ、あくまで税金を減らす控除であり、
税金が完全にゼロになるものではありません


iDecoを利用して、節税効果を高めるには、

・いつ受け取るのか
・どのようにして受け取るのか
・その他にどんな収入があるか
こういった部分を自分で勉強して、

税金をなるべく減らすための工夫や努力が必要です。


60歳までに勉強すればいい話ではありますが、
適当に受け取ってもダメで、
しっかり計算をする必要がある。

これはデメリットの1つなので、
覚えておいてくださいね。


3.iDecoが向いているのはどんな人なのか

ここまで説明してきたところで、
「結局、私はiDecoをやった方がいいの?」
こう思っているかもしれません。

そこで最後に、
iDecoが向いてるのはどんな人なのか。

まず結論から言うと、
iDecoの利用に向いているのは、

「ある程度、生活に余裕がある人」

です。

iDecoの大きなメリットは、
節税効果が高いことでしたよね。

生活に余裕のある人というのは、
極端な話、収入が多い人です。

収入が多い人ほど税率も上がるので、
iDecoの節税効果が高くなります。

また、iDecoの最大のデメリットは、
掛け金が60歳まで引き出せないことでした。

60歳まで生きていく中で、
もし万が一、生活が苦しくなったとしても、
iDecoの掛け金を使うことはできません。


そのため、

「iDecoの掛け金とは別に、
 ある程度の貯蓄や資金が確保できる」

というのが重要になってきます。

もし、収入がそこまで多くなかったり、
結婚や出産、子育てなどをはじめ、
いざという時の貯金ができていない。

こういう人は、iDecoにあまり向いていません。


4.まとめ
iDeco自体は賢く活用することで、
節税効果もあるお得な制度です。

ただし、60歳まで資金が拘束されたり、
人によっては税金の関係でお得さが減るなど、
デメリットも存在します。

基本的に、生活に余裕がある人で、
メリットとデメリットを比べた時に、
メリットが勝つという人は検討してもいいかもしれません。

「あれ、もしかして自分には向いてるかも?」

と思う場合は、iDecoの公式サイトなども、
チェックしてみてはどうでしょうか。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す