こんにちは高橋です。
僕は、ずっと自分の興味に英語を引き付けて勉強してきた、と言ってきました。
小説でも、映画でも、音楽でもなんでもいいですが、それのみで自立している芸術というのはありません。
だから、すぐれた作品には必ず、影響関係が刻印されています。
『風の歌を聴け』を読めば、カート・ヴォネガットやブローディガンの断章形式が刻印さえれているのをすぐに感じることができるし、『羊をめぐる冒険』を読めば、『ロンググッドバイ』の刻印を見ることができます。
30年前に発表されて世界的なヒットになったリュック・ベッソンの『レオン』であれば、すぐに、ジョン・カサヴェテスの『グロリア』が思い浮かべることができます。
こういう影響関係をそれこそ興味を持ってたどることができれば、それだけで勉強の幅は一気に広がります。
昨日も言ったようにタランティーノの梶芽衣子への愛を知りたければ、英語版のインタビューを探してきて自分で読んでみる、と言うことだってできるはずです。
僕はTOEICの点数が960点になりましたが、こういう自分の気持ちを下火にしないための(興味をつなげるための)、工夫をずいぶんしてきました。
一だけ気をつけていたことをあげると、それは、人がいいと言っているからという理由だけで、手を出さないということです。
例えばヘミングウェイの文章はとても質が高く、手本になるものです。
ただしその物語に誰でものれるのか、といったらかなり難しいところがあるはずです。
僕も、大江健三郎が、生前、哲学書や小説を素材にしてフランス語と英語の勉強を必ず毎日していると言っていたのを真似て分不相応な難しい本を素材にしていたことがありました。
苦痛が面白さを上回るようなことがあるとまず確実に挫折します。
どのみち英語の勉強は長丁場になるので、徐々に自分の興味を広げていくような態度が必要になってくると個人的に思っています。
●追伸
僕は一時期『コロンボ』を夢中になってみていた時期があります(友人には爆笑されましたが……)。
この『コロンボ』は若いころのスピルバーグや、『羊たちの沈黙』を監督したジョナサン・デミが撮影しているとか、ハードボイルド作家のミッキーシュプレインがゲストとして登場するとかいろいろな逸話があるドラマです。
もちろん、日本の『古畑任三郎』というのはこの『コロンボ』から全借りしています。
日本のドラマから英語のドラマという道筋まで活用できれば、興味が尽きることはなさそうです。