相性がいいと思う理由
こんにちは高橋です。
僕は個人的に、村上春樹の小説は英語の勉強と相性がいいと思っています。
理由は以下の4つです。
1、平易な英語が使われているから
2、物語が難しくないから
3、エッセイも含めてほとんどの作品が英訳されているから
4、アメリカ小説のよいガイドになるから
一番、おすすめできる理由は比較的簡単な英語が使われているからです。
もとの日本語自体が平易なので、難しい言葉を使いようがない、というところだとは思いますが、難しい表現がない、というのは学習の教材として大きなポイントです。
それから、作品のほとんど全部が翻訳されているのも利点の一つです。
だから、目当ての小説だけ翻訳がない、なんてことがありません。
しかも村上春樹の場合は小説に限らずエッセイも対談本も翻訳されています。
物語にのれない場合でも、こういうものを利用できるというのもポイントです。
4つ目のアメリカの小説のガイドになる、というのはおまけみたいなものですが、アメリカの小説まで素材にできるとなると学習の幅が広がります。
村上春樹の初期の小説というのは、カート・ヴォネガットや『アメリカの鱒釣り』のブローディガンから養分を得ています。
また、『羊をめぐる冒険』を読んでみるとチャンドラーの『ロング・グッドバイ』からそのまま間借りしている場面があるとわかります。
そういう影響関係をたどるとアメリカ小説へのよい案内になります。
これもまたポイントに加えていいものです。
昔、三島・谷崎、今、村上春樹
僕はTOEICの勉強に特化した記事をブログ(『英語が苦手でも聴いてTOEIC900点!』)でひたすら書き続けてきましたが(処世術ばっかり書いてきた!)、常に考えているのは
英語で何を言うか
ということです。
日本では英語が上手い人というとLとRの発音を完璧にこなす人というばかげた考えがいまだに流通しています。
もちろんこれは「うまい人」の本質ではありません。
そんなことに真剣になっているのは日本人だけだと思います。
昔、ソニーの創始者のひとりである故・盛田昭夫さんは英語がうまい外国人だと、アメリカで称されたことがありますが、彼の発音がネイティブのようだからうまいと称されたわけではありません。
話している内容に意味があるから、そういう風に言われたわけです。
30年前であれば、日本人の小説家という冠をつけなくても世界的なスタンダートとして通用したのは三島由紀夫と谷崎潤一郎です。
2023年現在この地位はおそらく村上春樹のものです。
世界的な共通言語になりつつある作家の作品の一つぐらい読んでおいたほうがいい、というのはうがった意見かもしれませんが、一応僕自身はそう思っているので付け加えておきたいと思います。
●追伸
明日は村上春樹の小説のなかで僕のおすすめを紹介したいと思います。
最初は短編がいいと思っていますが、明日詳しく触れます。