●多くのお店がリピート客を集めるために、ポイントカードなどを使
い、会員集めに苦労しています。
世の中、“囲い込もう”とするお店ばかりで、消費者としては、やや
うんざり気味なのかもしれません。
しかし、そんな状況のなか、消費者自ら「会員」になりたいと志望す
る居酒屋があります。
そのお店… 居酒屋とんとん(仮名)では、会員を
『とんとん島の島民』
と呼びます。
まず、初めてお店を訪れたお客様には、
「とんとん島の島民になりませんか?」
と声をかけるとともに、島民特典が記載されたチラシ兼申込書を手渡
します。
島民特典はいくつかありますが、なかでも人気なのが「いつでも生ビ
ール1杯目299円」。
ほとんどの客は、この特典に惹かれて島民になることを決意します。
LINEに登録いただき、申込書に記載していただく内容は、名前・住所
連絡先・メールアドレス・誕生日の5項目のみ。
これらを書き終えてLINEのクーポンをスタッフに提示し、しばらくす
ると、スタッフがQRコードが表示された紙を提示し読み込むとLINE
のリッチメニューが「とんとん島住民票」に変更されている。
その場で
「おめでとうございます!○○さまは本日からとんとん島の住民とな
りました!」
と元気よくアナウンスします。
※ビニールカバーは、保険証などを入れるカバーです。
すると、どこからともなく、周りのお客から拍手が沸き起こります。
店内が一体となる瞬間です。
また、このアナウンスをすると、決まって他のお客様からも声がかか
るそうです。
「ねえ、私も島民になりたいんだけど、どうすればいいの?」と。
すると、スタッフは「待ってました」とばかりに、卓上に設置してある
LINE登録用のQR申込書の説明を繰り返します。
これだけの仕掛けで、一日に平均5人(多いときで10人以上)の会
員(リスト)を獲得しています。
●ちなみに、LINEの住民票には、島でのルールや店主・スタッフの紹介
ページに加え、ポイントカード欄もあります。
つまり、ポイントカードの役目も果たしているというわけです。
さらに面白いのはここから。
初めて島民になったお客様には、住民票とともに「島民バッチ」をプ
レゼントします。
このバッチは全部で7種類あり、1回の来店ごとに異なる種類のバッ
チをプレゼントします。
つまり、7種類全部を集めたければ、最低でも7回来店しなければい
けないわけです。
しかし、(特に)収集癖のある男性客は、バッチ欲しさに定期的に来
店するそうです。
そして、7個目のバッチを受け取ったお客様には、島民の最高栄誉で
ある「とんとん島ハッピ」をプレゼントされます。
バッチもハッピも、店内では必ず着用しなければいけません。
背中には、店名ロゴ書体で『とんとん島の島民』と書かれた真っ赤な
ハッピを着ていると、とにかく目立ちます。
着ている本人は優越感に浸れるし、ハッピを持っていない周りのお客
の興味も喚起します。
バッチ・ハッピは、男性心をくすぐるメリット以外に、実はクチコミ
効果も生み出しています。
「居酒屋とんとん」に行く日には、必ず真っ赤なハッピを持参してい
るわけですから、会社でも話題になります。
「○○さん、何ですか?それ?」
こんな会話が生まれることが多く、それぞれの島民がお店以外(の場
所)で広告塔になってくれています。
●さらに、島民には毎月「LINE会報誌」が送られてきます。
その誌面には、その月のイベントや目玉商品、新島民の紹介などが記
載されています。
この会報誌がもとで、島民同士が仲良くなったり、異業種同士で仕事
の交流が生まれたりもしているとか。
また、「島民回覧板」と称するメーリングリストも開設し、様々な情
報を発信・交換しています。
その他、店外での定期的なイベント開催や、「とんとん島ホームペー
ジ」には、(希望者のみ)島民の自己紹介も掲載されています。
今後は、ホームページ上にひとつの島を掲載し、それを分割し、それ
ぞれの土地をそれぞれの島民の所有エリアにしようという考えもある
ようです。
「とんとん島3丁目は山田さんのエリアだから、山田村と命
など。
もちろん営利目的ではなく、ただ単に「とんとん島島民」であること
を楽しんでもらうことが目的です。
●さらに、毎月1回、店休日のある1日だけ「島民の日」を設定して
します。
その日は、入り口には「本日閉店」と貼りだされ、一般客は受け付け
ません。
「島民の日」は、日頃のご愛顧に感謝する意味も込めて、全てのメニ
ューが半額となります。
そのかわり、ここでは緩やかな「島民会議」も催されます。
お店への要望や改善点などの意見交換をするわけです。
お店だけの自己満足に終わらずに、島民の意見も聞きながら、とんと
ん島を運営しているのです。
…とにかく遊び心いっぱいの居酒屋とんとんの会員組織。
ここまで徹底した準備と仕掛け、遊び心はお客を魅了し、この店にし
かない価値を生み出しています。
さほど大きな経費を使うこともなく、そこに仮想の“楽しい空間”を
作っているだけなのですが、そこには男性を中心としたお客が魅了さ
れ、集まってきます。
現代の希薄な人間関係や社会も影響しているのかもしれません。
今ではほとんど告知宣伝することもなく、既存の島民が新しい希望者
を連れてきてくれる好循環が実現しています。
いかがですか?
どうせやるなら、これくらい徹底した楽しい会員組織を作ってもいい
ですよね。
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「LINE!販促」Lステップ正規代理店・Lコン倶楽部スタッフ一同
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