おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。
youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。
自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。
たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。
今回ご紹介の朗読動画は、恋愛に絡むサスペンスのショートショートをまとめたお話です。
良かったら聴いていただけると嬉しいです。
・朗読動画もご用意しております。
・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。
◉予告LINE#1
作 者:北条むつき
語り手:いかおぼろ
時刻は19時を回る頃。俺は、電車に揺られていた。突然スマートフォンにマナーモードの振動が胸ポケットに響いた。今から向かうマンション。同僚の三橋夕子からだと思ってスマートフォンの画面をスライドさせた。
今朝は残業で遅く午前様になるからと妻にて伝えて出て来たはずが、もう心配のLINEかと思いながらLINEを開けてみた。
=LINE1件目=
『何時頃帰れそう?』
『早く戻って来て欲しいなぁ? 話があるの! 愛してる?』
なんだ。そんな事でLINEをするとは可愛い妻だなと思いつつ、ポケットに仕舞おうとすると、また着信。
=LINE2件目=
『早く会いたいなあ』
『待ってるからね? 今日はいっぱい話そうねぇ? 愛してる!』
今度は夕子からのLINEだった。そのLINEに返信を出した。
『もうすぐ着くよ。俺も愛してる!』
それに返信すると、今度は登録に無い、LINEが届いた。
迷惑は設定していたはずだったが、こんなのが届くのは始めてだと思い無視しようとしたが、無視すべきではない事に気づいた。
=LINE3件目=
『○○法律事務所』
「ん? なんだ?」
小声を出しながらLINEの内容を見た。メッセージと2枚の添付画像が付いている。
『三橋夕子の男より。あなたとお話がしたいと思います。これから三橋夕子様マンションでお待ちしております。もしこれを無視した場合や警察に通報した場合、あなたと奥様のお命頂戴致します。まあ、4人でゆっくりお話しましょう!』
そして……。
添付画像を見ると……。そこには引きつった笑いの妻と笑顔で写る夕子。そしてその後ろに写る刃物を持った男の影。もう1枚は電車に揺られてスマートフォンを見ている俺の写真だった。
慌てて、到着した駅のホームから、スマートフォンを取り出し発信ボタンを押して110番をする。
「あっもしもし? あの! 変なLINEで、殺人予告…! 妻と……」
誰かにドンッと押された感覚。次の瞬間に電車の正面が目の前にあった……。
◉予告LINE#2
作 者:北条むつき
語り手:いかおぼろ
時刻は22時を回る頃。俺は、電車に揺られていた。突然スマートフォンにマナーモードの振動が胸ポケットに響いた。今から向かうマンション。不倫相手の村越陽菜《むらこしはるな》からだと思ってスマートフォンの画面をスライドさせた。
今朝は残業で遅く午前様になるからと妻にて伝えて出て来たはずが、もう心配のLINEかと思いながらLINEを開けてみた。
=LINE1件目=
『何時頃帰れそう?』
『早く戻って来て欲しいなぁ? 話があるの! 愛してる?』
なんだ。そんな事でLINEをするとは可愛い妻だなと思いつつ、ポケットに仕舞おうとすると、また着信。
=LINE2件目=
『早く会いたいなあ』
『待ってるからね? 今日はいっぱい話そうねぇ? 愛してる!』
今度は陽菜からのLINEだった。そのLINEに返信を出した。
『もうすぐ着くよ。俺も愛してる!』
それに返信すると、今度は登録に無い、LINEが届いた。
迷惑設定はしていたはずだったが、こんなのが届くのは始めてだと思い無視しようとしたが、無視すべきではない事に気づいた。
=LINE3件目=
『◆◇法律事務所』
「ん? なんだ?」
小声を出しながらLINEの内容を見た。メッセージと2枚の添付画像が付いている。
『村越陽菜の男より。あなたとお話がしたいと思います。これから村越陽菜様マンションでお待ちしております。もしこれを無視した場合や警察に通報した場合、あなたと奥様のお命頂戴致します。まあ、4人でゆっくりお話しましょう!』
そして……。
添付画像を見ると……。そこには引きつった笑いの妻と笑顔で写る陽菜。そしてその後ろに写る刃物を持った男の影。もう1枚は電車に揺られてスマートフォンを見ている俺の写真だった。
慌てて、到着した駅のホームから、スマートフォンを取り出し発信ボタンを押して110番を押した。
「あっもしもし? あの! 変なLINEで、殺人予告…! 妻と……」
押したはずの電話番号……。しかし、110番されておらず、また着信のマナーモード音が鳴り響く。
ブゥーブゥー
マナーモードのスマートフォンからLINEの着信音がした。
=LINE4件目=
『◆◇法律事務所』
動画一枚添付してあった。
少し恐怖を感じながらも、その動画の再生ボタンを押す。
「いや、いや、いや! やめて! 私が何をしたって言うのよ! 悪いのはあの人じゃない!?」
ザッ!
「キャア! ウッ……」
先ほど送られてきたLINEの中に写っていた陽菜の首が、後ろ手の包丁の男によって切りつけられていた。
そして……。
「フフフフッ……あなたが、変な女に興味を持つからこうなるの。早く帰ってきね」
今度は、妻の引きつった笑いが画面に映し出されて動画は終わった。家に帰れば、俺の命も危ないと感じた夜。
帰れば地獄が待っていると思い、更に俺は110番しようとスマホを片手にタップした。
一瞬の違和感……。
手に持っていたスマートフォンが火花をあげて燃え上がった。
ボンッ!
「あちっ! なっ、なんだ。これ……」
いきなり大きな音がしたと思ったら、俺の体は炎に包まれた……。
「アアァァ!」
◉予告LINE#3
作 者:北条むつき
語り手:いかおぼろ
時刻は午前0時を回る頃。俺は、最終電車に揺られていた。突然スマートフォンにマナーモードの振動が胸ポケットに響いた。飲み会が終わり、妻の待つ自宅マンションへと戻ろうとしていた。今日一緒に飲んだ山口千紗《やまぐちちさ》からLINEが入ってスマートフォンの画面をスライドさせた。
=LINE1件目=
『今日はお疲れ様でした。また飲みましょうね?』
『今度の土曜日は空いてる? 実は話があるの、お願い、相談に乗って欲しいの』
なんだ。さっき別れたばかりなのに、律儀な女性だな。そんな事でLINEをするとは可愛い女性だなと思いつつ、ポケットに仕舞おうとすると、また着信。
今朝は残業で遅く、午前様になるからと妻にて伝えて出て来た。夜遅いので、心配のLINEかと思いながらLINEを開けてみた。
=LINE2件目=
『もう電車に乗ってるかな?』
『飲み会は楽しめたかな? 愛してるから早く帰ってきてね?』
今度は妻からのLINEだった。そのLINEに返信を出した。
『もう電車に乗ってる。俺も愛してる!』
それに返信すると、今度は登録に無い、LINEが届いた。
迷惑設定はしていたはずだったが、こんなのが届くのは始めてだと思い、無視しようとしたが、無視すべきではない事に気づいた。
=LINE3件目=
『▲▽法律事務所』
「ん? なんだ?」
小声を出しながらLINEの内容を見た。メッセージと2枚の添付画像が付いている。
『山口千紗の男より。あなたとお話がしたいと思います。これからあなたの自宅マンションでお待ちしております。このゲス不倫野郎が! 貴様がもしこれを無視した場合や警察に通報した場合、貴様と奥さんの命はないと思え。まあ、2人でゆっくりお話そうや!』
そして……。
添付画像を見ると……。そこには引きつった笑いの妻。そしてその後ろに写る刃物を持った男の影。もう1枚は電車に揺られてスマートフォンを見ている俺の写真だった。
慌てて、自宅があるホームに到着した駅から、スマートフォンを取り出し発信ボタンを押して110番しようとしたら、突然駅のホームで先ほど別れた山口千紗からLINE通話が入った。
「あっもしもし? 山口さんか? どうしたの? さっき別れたばかりだろ?」
「ハア……ハア……ハア……ハア……」
「おい、どっ、どうしたの? 息が上がってるよ?」
「ハア……ハア……ハア……った、助けて、関山《せきやま》さん。私、もう、耐えられない……」
「ど、どうしたの? さっき別れたばかりだろ? 何かあったの?」
「ハア……ハア……さっき話しておくべきだった事、後悔してる。お願い助けてください!」
「えっ!? どういう事? 何があったの? 山口さん?」
「わっ、わたし、ある男にずっとねら……」
突然LINEの通話が切れた。もう一度、山口千紗のLINE通話を開始しようとボタンをタップする。
「キャーーー!」
プッ……プッ……プッ……。
一瞬の山口千紗らしい悲鳴の後、無言になり、通話は切れた。心配になりもう一度山口千紗のアドレスに通話をタップする。だが、アカウントは存在しません。と切り替わった。
山口千紗が心配になり、再度タクシーで飲み会があった駅に戻ろうと思い、さらに遅くなることを伝えるため、妻の携帯へ電話を入れた。
「…………」
通話は繋がっているが、無言で返答はない。
「もしもし? 玲奈《れいな》? どうした? なぜ無言なんだ? おい! 何か、何かあったのか? 玲奈?」
「…………お前が、イ・ケ・ナ・イ」
明らかに男の図太い声が携帯越しに響いた。
「妻に何をしたあ! 貴様あ! 何者だあ!?」
「…………俺は、千紗の男だ…………」
その言葉が俺の背後から直接聞こえたと同時に、背中の腰あたりがいきなり熱くなり、体の力が抜けた。
「ウッ…………。なっ、な、何を…………、なんだっ、これ…………」
俺はゆっくりと地面に転がるように崩れ落ちた。目の前の景色が歪み、夜の暗闇が襲ってくるように夜の景色が揺らいだ。遠くから微かに女性の声が聞こえているように思えた」
「ハア……ハア……関山さん、関山さーん」
誰だろう、知った声だ。山口千紗の声に似ている……。気が遠くなる……。
「誰か、あの男を捕まえて、あの黒のコートの男を捕まえて! 私、あの男にストーカーされてて、この男性も被害者なんですぅ関山さーん! お願い、目を瞑らないでえ!」
山口……。山口……さん……が、……叫んで……る……。
……俺……どうなるんだ……?
「お願い! 誰かあ! あの男を捕まえてえ!」
◉予告LINE#4
作 者:北条むつき
語り手:いかおぼろ
午前0時をまわる頃、私は電車に揺られていた。同僚の美鈴《みすず》たちと一緒に飲み会をした帰りだった。
本当は朝まで付き合いたかったが、私は明日仕事だし、それに家で待つ幸也《ゆきや》に悪いから、先に一人電車に乗って返っている最中だった。
金曜日でもない平日の最終近くの電車は、あまり混んでいなく席が空いており、私も悠々に座ってぼけーっと待ち受け画像を見ながら物思いに耽っていた。そこに一通のLINEの着信音がなった。
さっきまで一緒にいた美鈴からだった。
=LINE一件目=
『かこちん、今度は彼氏絶対紹介してよね。あんたにあんなイケメンがいたとはね〜絶対だよ?』
私は内心ハイハイと言いながら、LINEに返事を出した。
『何いってるのよ。美鈴こそイケメン彼氏いるくせに』
するとすぐに美鈴から返事が返ってくる。
=LINE二件目=
『じゃあ今度ダブルデートしない? イケメン合戦しようよ』と返事が来る。
何を言ってるのかと思い、『いやよ、彼氏がかわいそうだしね。それに二人だけの秘密だからね? 美鈴だから写真見せたけど、他の子にあんまり言いふらさないでよね?』
そう打つと、すぐに返事が返ってきた。
=LINE三件目=
『仕方ないか。かこちん、恥ずかしがやだもんね。じゃあ気をつけて帰ってね。おやすみ』
私は『おやすみ』とだけ返事を出して、電車に揺られて、幸也と同棲しているアパートに帰った。扉には鍵がかかっており、幸也はまだ帰ってないのかと思い、いつものポストの上の植木ぱちの下の鍵を取り、部屋に入る。
夜中なのに今日は幸也帰っていない。
遅いなと思い先に化粧を落とし、汚れた食器を洗い、タオルなどを私が洗濯してあげようとバックに入れる。
疲れた体をベッドに投げ出す。ぼけえっと同棲アパートの天井を見ながらうとうとしていると、玄関から音がする。
ようやくご帰宅かと思い、いつものならばすぐにベッドに倒れ込む幸也だから、今日もそうするだろうと思い私はベッドで幸也を待った。
やはりか。そのままベッドルームに幸也が入ってくる。そして電気もつけずに私を抱きしめるはずだと思い、私は握る手に少し力が入った。
「えっ? どう言うことだよ」
「……」
「……だっ誰だよ。お前……」
「おかえり……」
「おかえりって、だ、誰?」
「何言ってるの? 彼女をこんなに待たせて、どこ行ってたの?」
「彼女って……。出て行けよ。どっから入った!お前、泥棒か?」幸也は怒っている。
「泥棒って失礼ね? 長い付き合いじゃない? 幸也。おかえりのキスは?」と私は言って抱擁の腕を伸ばす。
幸也は、怒りながら「お前か! ここ最近、物が無くなってたりするのは!」と言う。
私はその問いに無視をして、幸也に向かって「愛する人のためよ?」と笑った。
「警察呼ぶぞ!」
幸也は立ち上がり、電気をつけて、彼女である私に怒りを向けた。
「付き合ってるじゃない? 私たち……」
「バカ言うなよ。お前誰だよ! いい加減にしろよ」
怒り狂う幸也に対し、私は持っていた包丁を幸也の胸に突き刺した。
「これで永遠に一緒ね」
◉予告LINE#5
作 者:北条むつき
語り手:いかおぼろ
土曜日の夕方16時頃、私は妹の住む街に向かうために電車に揺られていた。
妹、花音《かのん》に会うのは数ヶ月ぶりだ。そんなもうすぐ会うはずの花音から一通のLINEが私のスマートフォンに舞い込んだ。
=LINE1件目=
『お姉ちゃん、何時ごろになる? 早く来てよ。私待ちきれないよ。大事な話なのに』
私はせっかちな花音に呆れたが、返事を出さないとまたうるさいと思い返信を出した。
『ごめんごめん、16時過ぎちゃうね。もう少しだから待っててね』
そう打ち終わると手土産を膝に置き、私はスマートフォンを片手に、今夜20時から、彼氏の拓海《たくみ》との食事をどこにいくのかと気になり、グルメナビサイトを見ていた。
川口。川口です。と車掌のアナウンスが鳴り、駅に停まる。ドアが開き、乗客が流れ入ってくる。座って俯いていた私の足元に乗客がなだれ込んできた。
「あれ? 知恩《ちおん》ちゃんだよね?」
声がする方に顔を上げると、拓海が私を呼んでいた。
「あっ! 拓海くん、なんで? 食事はまだだよね?」
私は少し慌ててびっくりした表情で拓海に言い返した。
「うん、20時からだよ。ちょっと用事でね。知恩ちゃんもどこかにいくの?」
拓海が笑顔で聞き返す。
「うん。妹のところよ」
笑顔で言って話始めた。
すると、妹のアパートがある駅に着く。拓海も同じ駅に用事があるようで同じ駅で降りた。だが、方向が違うのかお互い挨拶をしてこの後の食事デートで会うことにした。
路地を曲がり、私は妹の花音のアパートに着く。チャイムを鳴らすとキーを回す音がして扉が開いた。
「遅い。お姉ちゃん遅刻ね」
「ごめんごめん。で、花音なんの話?」
「まあ、いいからちょっと入ってよ」
せっかちか私の話を無視してアパートの中に入れる花音だった。
「コーヒー? 紅茶?」
「ああ、気を使わないでよ。と言いながらも手土産を持ってきたので紅茶と言い、テレビのない8畳ほどの部屋のソファーに座る。妹の部屋に来るのは久しぶりだ。
私は手土産のロールケーキの箱を開けて取り出した。プーンと甘い香りが漂い、イチゴの何の変哲もないロールケーキだったが、匂いでおいしさが増した。
妹の花音は果物包丁と紅茶をもってテーブルに置くと、部屋のソファーに腰掛けた。
「で、なんの話よ。大事な話って」私はケーキも楽しみだったが、花音の大事な話が気になり聞く。
「まあ、ロールケーキをまずはいただきましょう。時期にわかるから」
そう促されロールケーキを切っていく。二等分か、四等分にすればいいものを、何故か花音は三等分に切った。
美味しそうに食べる花音をみて、私は悩み事相談なんじゃなのかと、切り出してみた。
「花音、悩み事あるんじゃないの?大事な話って一体なに?」
私は、堪え性がない性格でもあったので花音に聞き返す。すると花音は嫌味な顔をして果物ナイフを持ち、等分したケーキを更に勢いよく切って私を驚かせた。
「何? お姉ちゃん、自覚ないわけ。あーあ。このコソ泥が」
「えっ。どう言う意味?」
「どう意味も、こう言う意味もない」
「えっ」
花音はいきなりスマートフォンを取り出し誰かに電話をしだした。相手とつながったようだ。
「もしもし? もういいわよ。入ってきて」
そう誰かに言った。すると玄関の扉が開く音がする。
「お邪魔します」
男の声がした。なぜか拓海の声に似ていた。
いや、似ていたのではなかった。部屋の扉を開くとそこに拓海が立っていた。
「ど、どういうこと?」
私は呆気に取られ聞き返した。
「そう言いたいのは、私の方」
妹は捲し立てながら、果物ナイフを私にむけた。
「知恩ちゃん……。妹って、花音のところだったのか?」
あっけらかんと聞き返す拓海の言葉に私も苛立ち、なぜかキッチンへ駆け込み、出刃包丁を取った。馬鹿馬鹿しさが増してきたが、なぜか私と妹の花音は、触発し合って、怒りを拓海に向けて、同じタイミングで言い放った。
「拓海、あんた、私たちのどっちが大事なのよ!」
事情によっては、20時の食事などキャンセルだと息巻いた。
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