朗読動画:Love Out of Lust 欲望の愛【ちょっとえっちなラブコメ】

コンテンツ
写真・動画
 おはようございます。ブログを閲覧いただきありがとうございます。

 youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。
 自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。
 たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。
 今回ご紹介の朗読動画は、ちょっとえっちなラブコメショートショートです。
 良かったら聴いていただけると嬉しいです。


・朗読動画もご用意しております。
・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。
◉Love Out of Lust【欲望の愛】
作 者:北条むつき
語り手:ムラサキリンコ

「ねえ……。ねえってば!」
「ん?」
「聞いてるぅ!?」

 イヤホンを耳から外し、向き直す佑月《ゆずき》。
平日、昼の日中、私、紫苑《しおん》の部屋にいる。いつもジャレ合った後は、イヤホンで音楽を鳴らし一人の時間に浸る佑月だ。

 私のことは放ったらかし。女としては、もっと愛に溢れた行為のあとは、しんみりとその太い腕の中で、ゆっくりと眠りたい。だから私はあえて佑月がお気に入りの曲が入ったところで声をかけてワザと振り向かせる。

 ニコリとする佑月だが、心持ちか疲れを見せていた。それもそのはず、私の部屋に来たのは、仕事が終わってからすぐだ。それも海外での仕事を終えてだ。飛行機を降りてその足でスーツケースを持ち、疲れた体を私で癒すため、いつもすぐにここに来る。

 来るのはいつも突然のこと。私は基本自宅での仕事が多く、買い物や友人と外出する以外は家にいることが多いため、佑月は来る前に連絡など寄こした事などは無い。いつも突然現れ、唐突に私を求める。その唐突加減が私にとっては魅力……。だってあなたのその太い腕と引き締まった体を体感出来るのは、短くて三ヶ月に一度。長ければ半年以上先なのだから。

 弓黒佑月《ゆみくろゆずき》。彼の仕事はプロのスノーボーダー。世界中の冬山を撮影のため転々としながら、夏になると帰って来る。日本では冬場の事が多い。ただし日本でのスノーボードは仕事として請け負わない。それは、マージンが全然違うからだと彼は言う。

 私には、そこらへんの事はさっぱりわからない。ただいつも思う事は、危険な雪山に登り、そこから滑降。雪崩を受けながらの撮影や、岩肌が見える岸壁を滑り降りる。その恐怖を聞かされた時は、流石にびっくりするし、危なく無いのかとも尋ねる。

 すると佑月は簡単に「危ないよ」と答えるのだ。

「そんなに危ないなら何故続けてるの?」と尋ねた私に佑月は笑顔になり「それ辞めると俺じゃなくなるから!」と端的に言いのける。

 そんな微笑みを見せながら言われてしまうと、余計に心配になる。心とは不思議なものだ。

「安全第一のヘルメット持参しろ」と冗談半分に言ってみた事がある。

 すると佑月は「お洒落じゃなきゃボーダーじゃねーよ!」と怒鳴った。それほど佑月にとってスノーボードは大切なお洒落な仕事なのだ。そんな彼も過去には色々と叩かれた事件があった。

 それは、彼が十代の頃の話だ。

 幼少の頃からどの大会に於いても優勝を勝ち取ってきた。だから注目度は人一倍。そんな中、当たり前の如く選ばれた日本代表。

 世界大会へ向けて、遠征するための空港で、事件は起きた。報道陣に囲まれた佑月。普段と同じ格好で現れた佑月の姿に、報道陣が攻めるかのように、質問を浴びせた。

「何故、あなたは日本代表という身でありながら、みんなと同じスーツを着る事はしないのですか? 日本代表の遠征でしょう? 日本人として恥ずかしく無いんですか?」
 容赦の無い質問。それに屈する事なく答える佑月がいた。

「えっ!? 何が悪いの? 俺のスタイルなんで……」と一蹴する。

 ざわつく報道陣を尻目に、搭乗ゲートから飛行機に乗って行ってしまった。その後、大会が始まるとワイドショーで取り上げられた。

 あの態度は日本人としてどうだのこうだの。何様気取りのキャスター達が、代表選手の威厳とか何とかを語っていた。だが見事大会優勝で、それは一蹴されたかに見えた。

 遠征先から帰ってきた記者会見でも普段着の佑月の対応と喋り方に、また報道陣が噛み付いた。

「優勝すれば何でもいいんですか? あなたには、代表選手という自覚はないのですか?」
「……」

 佑月は黙りながら、舌打ちをしかけた際、隣の先輩の助けにより、その場は謝るのかに見えた。だが、その問いただした記者に真っ向から勝負を挑んだ。

「じゃあ、あんた。日本中の人々を感動させられる記事かけるの? そんな相手の心情を逆なでする様な事ばかり言ってるのに? 俺には俺のスタイル、あんたにはあんたのスタイルがあるからいいんじゃないの?」

 奇しくも前回質問を投げかけた同じ記者。それに対して見事に言いのけた。その場で騒動に成りそうな勢いだったが、テレビを見ていた私は、『まだ若いのに自分の信念を曲げないのって格好いい』と思ったものだ。

 あれから五年が経ち、今は私とほぼ暮らしている。というか、仕事が終わると転がり込む。そして日本の冬の間は、私と共に過ごす。だがそれもたった三ヶ月の期間だけ。来年の二月になれば、また海外へと旅立つ。

 だから、今は佑月の腕の中でいたいのに、こいつは一人お気に入りの音楽に浸る。悔しいから、上に乗っかってやる。すると佑月が私に言う。

「youtube見てよ。今回の奴は結構すごかったんだから……」

 そんな言葉に私は素直な感情を佑月にぶつける……。

「わかってる! でもその前に、この放ったらかしの時間をどう埋めてくるの? 私、寂しかったんだよ?」

「……俺も……」

 佑月も素直な心からなのか同じ言葉を吐く。

「じゃあ、音楽なんて聞かないでさぁ?」
「わかってるけど、照れるんだよ……。久々だと……」

 そう言うと優しくキスを交わす。そしてまた深い愛情の波が私に訪れる。佑月からいっぱいのLove Out。愛撫をもらう。その愛撫に酔っていると口元で優しい佑月の声がする。

「愛してる」

 その言葉に頷く私がいる。その行為は続けられた……。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか?
 動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。
◉youtubeを運営しております。
その他動画も多数ご用意しております。
チャンネル登録お願いいたします。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す